【2025.10.10】第19回ショパン国際ピアノコンクール 2次ラウンド2日目

ショパン国際ピアノコンクール
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こんにちは。いりこです。

5年に一度開催される、世界一の知名度と権威を誇るショパン国際コンクールが2025年に開催されます。

2025年は大コンクールイヤー!
こちらの記事でまとめた15のコンクールのうち7つが開催されました。

ショパン国際と同じく「世界三大コンクール」と称されるエリザベート王妃国際に加え、バッハ国際ロン=ティボー国際クライバーン国際(特集なし)ブゾーニ国際クララ・ハスキル国際とみてきました。

そしていよいよ最高峰ショパン国際コンクール!5日間におよんだ1次ラウンドを経て、半分の40名が通過しました。

2日目は一際個性の強かったXiaoyu HuAdam Kałduński、それからEric Guo桑原詩織Hyo Lee&Hyuk Lee兄弟ら常連組も登場!

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ショパン国際ピアノコンクール概要

公式HP(英語・ポーランド語):https://konkursy.nifc.pl/en/miedzynarodowy/konkurs
公式YouTube:https://www.youtube.com/@chopininstitute

知名度も権威も世界一と言っていい超名門ピアノコンクール
大作曲家ショパンの名を冠し、祖国ポーランドが国を挙げて開催しているコンクールです。

演奏されるのはショパンの曲のみ!もちろんピアノ部門のみ!という独特なコンクールでもあります。5年に1度と開催間隔もかなり長く、歴史も長いです。

2020年はコロナで延期、満を持して開催された2021年大会は、反田小林がW入賞して話題になりました。優勝者のブルース・リウガジェヴガルシアなど、タレント揃いで見ごたえのある大会でした。

  • 概要
    開催地:ワルシャワ(ポーランド)
    開催期間:2025年10月2日(木)~ 10月23日(木)
    開催間隔:5年に1度(第18回:2021年10月(2020年から延期)、次回:2025年)
    歴史:第1回1927年

ちなみに過去の優勝者・入賞者は、クラシック界をけん引する錚々たるメンツ。名前を眺めるだけで鳥肌が立ちます!(笑)

  • 主な優勝者・入賞者
    優勝者:マウリツィオ・ポリーニ(1960)、マルタ・アルゲリッチ(1965)、ギャリック・オールソン(1970)、クリスティアン・ツィメルマン(1975)、ダン・タイ・ソン(1980)、スタニスラフ・ブーニン(1985)、ユンディ・リ(2000)、ラファウ・ブレハッチ(2005)、ユリアンナ・アヴデーエワ(2010)、チョ・ソンジン(2015)、ブルース・リウ(2021)

    入賞者:ウラディミール・アシュケナージ(1955年第2位)、アルトゥール・モレイラ・リマ(1965年第2位)、内田 光子(1970年第2位)、横山 幸雄(1990年第3位)、ダニール・トリフォノフ(2010年第3位)、反田 恭平(2021年第2位)、マルティン・ガルシア・ガルシア(2021年第3位)、小林 愛実(2021年第4位)

▼過去大会の振り返り記事も併せてご覧ください!
2010年ショパンコンクールに耽る~アヴデーエワ/ゲニューシャス/トリフォノフ/デュモン~
2015年ショパンコンクールを振り返る~チョ・ソンジン/アムラン/ケイト・リウ/エリック・ルー/(トニー)・ヤン/シシュキン~
2021年ショパンコンクールを振り返る~ブルース・リウ/反田恭平/ガルシア・ガルシア/小林愛実/クシュリク/アルメリーニ/ラオ・ハオ~

スケジュール

予備予選(160名):2025年4月23日(水)~ 5月4日(日)
1次ラウンド(84名):2025年10月3日(金)~ 7日(火)

2次ラウンド(40名):2025年10月9日(木)~ 12日(日)
10月9日(木)10:00(日本時間17:00)、17:00(翌0:00)
10月10日(金)10:00(日本時間17:00)、17:00(翌0:00)
10月11日(土)10:00(日本時間17:00)、17:00(翌0:00)
10月12日(日)10:00(日本時間17:00)、17:00(翌0:00)

3次ラウンド(20名):2025年10月14日(火)~ 16日(木)

10月17日(金):ショパン没後176年目の命日

ファイナル(10名):2025年10月18日(土)~ 20日(月)

20日近くに及ぶ長丁場です。

プログラム

レパートリー:
参加者は、ビデオ審査で演奏した曲を本大会で演奏できる。
また、予備予選で演奏した曲も本大会で演奏できる(ただし練習曲を除く)。
本大会においては、同じ曲を異なるラウンドで演奏することはできない。

▼前回大会からの変更点を詳しく解説
【課題曲に大幅変更!】第19回(2025年)ショパン国際コンクール募集要項発表

2次ラウンド(40名)

6 Preludes from Op. 28, consisting of one of the following three groups:
/前奏曲 Op.28から、以下3つのグループのうちの1つからなる6曲:

7–12 or 13–18 or 19–24

one of the following Polonaises:/以下のポロネーズから1つ
Andante Spianato and Grande Polonaise brillante in E flat major, Op. 22/アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ 変ホ長調
Polonaise in F sharp minor, Op. 44/ポロネーズ第5番 嬰ヘ短調
Polonaise in A flat major, Op. 53/ポロネーズ第6番 変イ長調(英雄)
or both Polonaises from Op. 26/ポロネーズ第1・2番の両方

any other solo piece or pieces by Fryderyk Chopin (the full Op. 28 is allowed).
/ショパン作曲の他のソロ作品(前奏曲 Op.28 全曲も可)


Performance time in the second round: 40–50 minutes.
/演奏時間は40~50分
The pieces may be performed in any order (except Op. 26).
/演奏順は問わない(ポロネーズ Op.26 を除く)

10月10日(金)10:00(日本時間17:00)

▼全体版:今大会も休憩中に「ショパン・トーク」が開催されるようです!他の大会にはないエンタメ性、魅力を発信しつづける素晴らしい姿勢ですね。

Eric Guo (Canada, 2002) 3次ラウンド進出 ※1次ラウンド
piano: Steinway & Sons
Preludes Op. 28 Nos. 19–24
/前奏曲 Op. 28 No. 19–24
Polonaise in F sharp minor Op. 44
/ポロネーズ第5番 嬰ヘ短調 Op. 44
Etude in E flat minor Op. 10 No. 6
/練習曲 変ホ短調 Op. 10 No. 6
Mazurkas Op. 17 Nos. 1–4
/マズルカ Op. 17 No.1-4
Prelude in C sharp minor Op. 45
/前奏曲 嬰ハ短調 Op. 45
Barcarolle in F sharp major Op. 60
/舟歌 嬰ヘ長調 Op. 60

3次で必須のマズルカをこの2次ラウンドで持ってきました。基本的にはいい演奏なので、随所に粋なフレージングもあります。個人的にはなんだかハマらない。アヴデーエワの前例があるから筆者が未熟なだけかも。

Xiaoyu Hu (China, 2005) ※1次ラウンド
piano: Fazioli
Preludes Op. 28 Nos. 13–18
/前奏曲 Op. 28 No. 13–18
Polonaise in F sharp minor Op. 44
/ポロネーズ第5番 嬰ヘ短調 Op. 44
Ballade in A flat major Op. 47
/バラード第3番 変イ長調 Op. 47
Rondo in E flat major Op. 16
/ロンド 変ホ長調 Op. 16

パラパラと粒立ちがいい音色は好みですし、結構淡々と演奏されるので、ポロネーズ5番の中間部手前は気味が悪くておもしろい演奏でした。ただ、この演奏スタイルの割には音が抜け過ぎていて少し残念。

Zihan Jin (China, 2009) ※1次ラウンド
piano: Shigeru Kawai
Scherzo in E major Op. 54
/スケルツォ第4番 ホ長調 Op. 54
Preludes Op. 28 Nos. 1-16
/24の前奏曲 Op. 28 No. 1-16
Polonaise in A flat major Op. 53
/ポロネーズ第6番 変イ長調 「英雄」 Op. 53

今大会初めてのスケルツォ4番!冒頭に持ってくるとは挑戦的。すっきりとこの曲にぴったしの演奏でした。前奏曲もすっきりと癖がなくて聴きやすい。1次ラウンドでは印象なかったのですが、ほっこりする安定感。。。と思ったところで16番で大詰まり、、、最後のユニゾンもきれいに弾ける技量はありそうだったので気の毒でした。

Adam Kałduński (Poland, 1996) ※1次ラウンド
piano: Fazioli
24 Preludes Op. 28
/24の前奏曲 Op. 28
Polonaise in A flat major Op. 53
/ポロネーズ第6番 変イ長調 「英雄」 Op. 53

HPでは前奏曲の順番がめちゃくちゃだったので、まさか組み替えるのかと思いましたが、さすがにHPの記載ミスでした笑。にしてもよくわからない内声を立たせてみたり個性的。

David Khrikuli (Georgia, 2001) 3次ラウンド進出 ※1次ラウンド
piano: Steinway & Sons
Polonaise in F sharp minor Op. 44
/ポロネーズ第5番 嬰ヘ短調 Op. 44
Scherzo in C sharp minor Op. 39
/スケルツォ第3番 嬰ハ短調 Op. 39
24 Preludes Op. 28
/24の前奏曲 Op. 28

ポロネーズ、スケルツォで見せたどデカい音楽性。技術的には加点はないが大崩れもない感じですが、その先を楽しませてくれる、往年の録音を聴いているような演奏でした。ポロネーズ5番→スケルツォ3番の大曲のあとに前奏曲1番から弾き始めたので、時間間に合ってるのか?そこだけ心配。

10月10日(金)17:00(日本時間 翌0:00)

▼全体版:休憩中の「ショパン・トーク」にも注目!

Shiori Kuwahara (Japan, 1995) 3次ラウンド進出 ※1次ラウンド
piano: Steinway & Sons
Barcarolle in F sharp major Op. 60
/舟歌 嬰ヘ長調 Op. 60
Preludes Op. 28 Nos. 13–18
/前奏曲 Op. 28 No. 13–18
Fantasy in F minor Op. 49
/幻想曲 ヘ短調 Op. 49
Polonaise in A flat major Op. 53
/ポロネーズ第6番 変イ長調 「英雄」 Op. 53

いやー、一言でうまいです。日本人らしさの極みというか、それでも陳腐にならない重厚で豊かな音色があります。

Hyo Lee (Republic of Korea, 2007) 3次ラウンド進出 ※1次ラウンド
piano: Shigeru Kawai
Sonata in C minor Op. 4
/ソナタ第1番 ハ短調 Op. 4
Preludes Op. 28 Nos. 19–24
/前奏曲 Op. 28 No. 19–24
Polonaise in A flat major Op. 53
/ポロネーズ第6番 変イ長調 「英雄」 Op. 53

ソナタ1番が早速2人目!見事兄弟で2次に進出した弟さん。1次よりも格段といい演奏でしたね。ソナタ1番を弾いちゃう大胆さと、18歳にしてこの安定感が共存しています。上半分には入る可能性は全然高いと思います。

Hyuk Lee (Republic of Korea, 2000) 3次ラウンド進出 ※1次ラウンド
piano: Steinway & Sons
Polonaise in F sharp minor Op. 44
/ポロネーズ第5番 嬰ヘ短調 Op. 44
Preludes Op. 28 Nos. 7–12
/前奏曲 Op. 28 No. 7–12
Scherzo in B flat minor Op. 31
/スケルツォ第2番 変ロ短調 Op. 31
Sonata in B flat minor Op. 35
/ソナタ第2番 変ロ短調 Op. 35

イメージですが、英雄ポロネーズは最後に持ってきて、ポロネーズ5番は最初に演奏する人が多い気がします。前奏曲7~12は2人目かな?別のメインデッシュを持ってくる場合は役割的に使いやすいですね。この方も1次ラウンドはスルーしていたのですが、さすがの安定感。

Kwanwook Lee (Republic of Korea, 1996) ※1次ラウンド
piano: Yamaha
Preludes Op. 28 Nos. 13–18
/前奏曲 Op. 28 No. 13–18
Ballade in F minor Op. 52
/バラード第4番 ヘ短調 Op. 52
Impromptu in A flat major Op. 29
/即興曲第1番 変イ長調 Op. 29
Andante spianato & Grand Polonaise Brillante in E flat major Op. 22
/アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ 変ホ長調 Op. 22

よくぞアンスピ・大ポロを演奏してくれました!これまでは割と選択されているイメージありましたが、今回はね、この曲長いのでね。派手でなく落ち着いた演奏でした。

Tianyou Li (China, 2004) 3次ラウンド進出 ※1次ラウンド
piano: Steinway & Sons
Sonata in C minor Op. 4
/ソナタ 第1番 ハ短調 Op. 4
Preludes Op. 28 Nos. 13–18
/前奏曲 Op. 28 No. 13–18
Polonaise in A flat major Op. 53
/ポロネーズ第6番 変イ長調 「英雄」 Op. 53

ソナタ1番が早くも3人目!この方は特にメヌエットでのリズム感など工夫されていましたし、終楽章での追い込みも素晴らしかった。悠然とした英雄ポロネーズもここまでで一番好みでした。中間部はいつからあの速さが標準になったのでしょうね?この方くらいのテンポで育ってきたので心地よかったです。

2日目まとめ

2日目お疲れさまでした🙇

やはり時間的な制約からか、ほとんど「英雄ポロネーズ」が選択されますね。これは運営の望む形だったんでしょうか??

David Khrikuliさん、Tianyou Liさんはぜひファイナルまで残ってほしい。桑原 志織さんも相変わらずの安定感。Hyo LeeHyuk Lee兄弟は今回は弟さんの方が印象に残りましたが、お二人とも問題なく通過するレベルだったと思います。Xiaoyu Huさんはどうかな、好きなところもありましたが。Zihan Jinさんも次聴きたかったですが、どうでしょう。

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