【2025.10.14】第19回ショパン国際ピアノコンクール 3次ラウンド1日目

ショパン国際ピアノコンクール
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こんにちは。いりこです。

5年に一度開催される、世界一の知名度と権威を誇るショパン国際コンクールが2025年に開催されます。

2025年は大コンクールイヤー!
こちらの記事でまとめた15のコンクールのうち7つが開催されました。

ショパン国際と同じく「世界三大コンクール」と称されるエリザベート王妃国際に加え、バッハ国際ロン=ティボー国際クライバーン国際(特集なし)ブゾーニ国際クララ・ハスキル国際とみてきました。

そしていよいよ最高峰ショパン国際コンクール!84名でスタートした1次ラウンドから、今日からの3次ラウンドでは20名まで絞られました。

1日目、今大会注目のピアニストDavid KhrikuliTianyou Li、それからEric Guo桑原詩織Hyo Lee&Hyuk Lee兄弟ら常連組も登場!

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ショパン国際ピアノコンクール概要

公式HP(英語・ポーランド語):https://konkursy.nifc.pl/en/miedzynarodowy/konkurs
公式YouTube:https://www.youtube.com/@chopininstitute

知名度も権威も世界一と言っていい超名門ピアノコンクール
大作曲家ショパンの名を冠し、祖国ポーランドが国を挙げて開催しているコンクールです。

演奏されるのはショパンの曲のみ!もちろんピアノ部門のみ!という独特なコンクールでもあります。5年に1度と開催間隔もかなり長く、歴史も長いです。

2020年はコロナで延期、満を持して開催された2021年大会は、反田小林がW入賞して話題になりました。優勝者のブルース・リウガジェヴガルシアなど、タレント揃いで見ごたえのある大会でした。

  • 概要
    開催地:ワルシャワ(ポーランド)
    開催期間:2025年10月2日(木)~ 10月23日(木)
    開催間隔:5年に1度(第18回:2021年10月(2020年から延期)、次回:2025年)
    歴史:第1回1927年

ちなみに過去の優勝者・入賞者は、クラシック界をけん引する錚々たるメンツ。名前を眺めるだけで鳥肌が立ちます!(笑)

  • 主な優勝者・入賞者
    優勝者:マウリツィオ・ポリーニ(1960)、マルタ・アルゲリッチ(1965)、ギャリック・オールソン(1970)、クリスティアン・ツィメルマン(1975)、ダン・タイ・ソン(1980)、スタニスラフ・ブーニン(1985)、ユンディ・リ(2000)、ラファウ・ブレハッチ(2005)、ユリアンナ・アヴデーエワ(2010)、チョ・ソンジン(2015)、ブルース・リウ(2021)

    入賞者:ウラディミール・アシュケナージ(1955年第2位)、アルトゥール・モレイラ・リマ(1965年第2位)、内田 光子(1970年第2位)、横山 幸雄(1990年第3位)、ダニール・トリフォノフ(2010年第3位)、反田 恭平(2021年第2位)、マルティン・ガルシア・ガルシア(2021年第3位)、小林 愛実(2021年第4位)

▼過去大会の振り返り記事も併せてご覧ください!
2010年ショパンコンクールに耽る~アヴデーエワ/ゲニューシャス/トリフォノフ/デュモン~
2015年ショパンコンクールを振り返る~チョ・ソンジン/アムラン/ケイト・リウ/エリック・ルー/(トニー)・ヤン/シシュキン~
2021年ショパンコンクールを振り返る~ブルース・リウ/反田恭平/ガルシア・ガルシア/小林愛実/クシュリク/アルメリーニ/ラオ・ハオ~

スケジュール

予備予選(160名):2025年4月23日(水)~ 5月4日(日)
1次ラウンド(84名):2025年10月3日(金)~ 7日(火)
2次ラウンド(40名):2025年10月9日(木)~ 12日(日)

3次ラウンド(20名):2025年10月14日(火)~ 16日(木)
10月14日(火)10:00(日本時間17:00)、17:00(翌0:00)
10月15日(水)10:00(日本時間17:00)、17:00(翌0:00)
10月16日(木)10:00(日本時間17:00)、17:00(翌0:00)

10月17日(金):ショパン没後176年目の命日
ファイナル(10名):2025年10月18日(土)~ 20日(月)

20日近くに及ぶ長丁場です。

プログラム

レパートリー:
参加者は、ビデオ審査で演奏した曲を本大会で演奏できる。
また、予備予選で演奏した曲も本大会で演奏できる(ただし練習曲を除く)。
本大会においては、同じ曲を異なるラウンドで演奏することはできない。

▼前回大会からの変更点を詳しく解説
【課題曲に大幅変更!】第19回(2025年)ショパン国際コンクール募集要項発表

3次ラウンド(20名)

Sonata in B flat minor, Op. 35 or Sonata in B minor, Op. 58
/ソナタ第2番 変ロ短調 または ソナタ第3番 ロ短調
The exposition in the first movement of both Sonatas should not be repeated.
/いずれのソナタも、第1楽章提示部はリピートしないこと

a full set of Mazurkas from the following opuses:/以下の作品番号のマズルカから1セット全曲
17, 24, 30, 33, 41, 50, 56, 59
The Mazurkas must be played in the order in which they are numbered in the opus. In the case of Opuses 33 and 41, the following numbering applies:
/マズルカは作品番号で付けられた順番で演奏しなければならない。作品33、41の場合は、以下の番号が適応される。

Op. 33
No. 1 in G sharp minor
No. 2 in C major
No. 3 in D major
No. 4 in B minor

Op. 41
No. 1 in E minor
No. 2 in B major
No. 3 in A flat major
No. 4 in C sharp minor

any other solo piece or pieces by Fryderyk Chopin (if the hitherto performed repertoire does not achieve the minimum performance time indicated below).
/ショパン作曲のソロ作品(それまでに演奏されたレパートリーが、以下に示す最小演奏時間に達しない場合)


Performance time in the third round: 45–55 minutes.
/演奏時間は45~55分
The pieces may be performed in any order (except the Mazurkas).
/演奏順は問わない(マズルカを除く)

10月14日(火)10:00(日本時間17:00)

▼全体版:今大会も休憩中に「ショパン・トーク」が開催されるようです!他の大会にはないエンタメ性、魅力を発信しつづける素晴らしい姿勢ですね。

Yang (Jack) Gao (China, 2003) ※1次ラウンド ※2次ラウンド
piano: Shigeru Kawai
Berceuse in D flat major Op. 57
/子守歌 変ニ長調 Op. 57
Impromptu in G flat major Op. 51
/即興曲第3番 変ト長調 Op. 51
Mazurka in G sharp minor Op. 33 No. 1
/マズルカ 嬰ト短調 Op. 33 No. 1
Mazurka in C major Op. 33 No. 2
/マズルカ ハ長調 Op. 33 No. 2
Mazurka in D major Op. 33 No. 3
/マズルカ ニ長調 Op. 33 No. 3
Mazurka in B minor Op. 33 No. 4
/マズルカ ロ短調 Op. 33 No. 4
Piano Sonata in B minor Op. 58
/ピアノソナタ第3番 ロ短調 Op. 58

今大会初めてのソナタ3番、なんだか久々な気がします。これまでの演奏よりはオーソドックスに寄っていた気がしますが、それはそれで逆に精一杯な印象も。

Eric Guo (Canada, 2002) ※1次ラウンド ※2次ラウンド
piano: Steinway & Sons
Ballade in A flat major Op. 47
/バラード第3番 変イ長調 Op. 47
Mazurka in A minor Op. 59 No. 1
/マズルカ イ短調 Op. 59 No. 1
Mazurka in A flat major Op. 59 No. 2
/マズルカ 変イ長調 Op. 59 No. 2
Mazurka in F sharp minor Op. 59 No. 3
/マズルカ 嬰ヘ短調 Op. 59 No. 3
Scherzo in B flat minor Op. 31
/スケルツォ第2番 変ロ短調 Op. 31
Impromptu in G flat major Op. 51
/即興曲第3番 変ト長調 Op. 51
Sonata in B flat minor Op. 35
/ピアノソナタ第2番 変ロ短調 Op. 35

ピリオド楽器コンクール覇者、順当に進出しています。マズルカはよかった、バラード3番もまあよかったのですが、曲が複雑になるとやっぱりハマってない印象があります。

David Khrikuli (Georgia, 2001) ※1次ラウンド ※2次ラウンド
piano: Steinway & Sons
Mazurka in B major Op. 56 No. 1
/マズルカ ロ長調 Op. 56 No. 1
Mazurka in C major Op. 56 No. 2
/マズルカ ハ長調 Op. 56 No. 2
Mazurka in C minor Op. 56 No. 3
/マズルカ ハ短調 Op. 56 No. 3
Sonata in B flat minor Op. 35
/ピアノソナタ第2番 変ロ短調 Op. 35
Impromptu in G flat major Op. 51
/即興曲第3番 変ト長調 Op. 51
Waltz in A flat major Op. 42
/ワルツ第5番 変イ長調 Op. 42
Waltz in A minor Op. 34 No. 2
/ワルツ第3番 イ短調 Op. 34 No. 2
Scherzo in E major Op. 54
/スケルツォ第4番 ホ長調 Op. 54

いやー素晴らしい。2次ラウンドまでは「技術的には加点も減点もない感じ」と書きましたが、今大会においては技術面でも(もしかしたら精神的なものかも)安定感が光ります。それが成熟した音楽にもつながってきていますね。他のピアニストでは意外にも苦労が見える前奏曲16番もなんのその。ワルツを2本挟むプログラムもなんとも上品。それから今大会は聞くことの減ってしまったスケルツォ、華やかな最後の4番。きちんと演奏されていて、派手な演出がなくとも曲自体の華やかさ、上品さが濃縮されていました。いやー素晴らしい。

10月14日(火)17:00(日本時間 翌0:00)

▼全体版:休憩中の「ショパン・トーク」にも注目!

Shiori Kuwahara (Japan, 1995) ※1次ラウンド ※2次ラウンド
piano: Steinway & Sons
Scherzo in C sharp minor Op. 39
/スケルツォ第3番 嬰ハ短調 Op. 39
Mazurka in G sharp minor Op. 33 No. 1
/マズルカ 嬰ト短調 Op. 33 No. 1
Mazurka in C major Op. 33 No. 2
/マズルカ ハ長調 Op. 33 No. 2
Mazurka in D major Op. 33 No. 3
/マズルカ ニ長調 Op. 33 No. 3
Mazurka in B minor Op. 33 No. 4
/マズルカ ロ短調 Op. 33 No. 4
Piano Sonata in B minor Op. 58
/ピアノソナタ第3番 ロ短調 Op. 58

彼女はソナタ3番を聴いてみたかったんですが、がちっとハマっていてよかったですね!マズルカをどんな風に演奏するのか気になっていましたが、思ったより違和感も少ない。

Hyo Lee (Republic of Korea, 2007) ※1次ラウンド ※2次ラウンド
piano: Shigeru Kawai
Ballade in G minor Op. 23
/バラード第1番 ト短調 Op. 23
Mazurka in A minor Op. 59 No. 1
/マズルカ イ短調 Op. 59 No. 1
Mazurka in A flat major Op. 59 No. 2
/マズルカ 変イ長調 Op. 59 No. 2
Mazurka in F sharp minor Op. 59 No. 3
/マズルカ 嬰ヘ短調 Op. 59 No. 3
Sonata in B flat minor Op. 35
/ピアノソナタ第2番 変ロ短調 Op. 35
Scherzo in C sharp minor Op. 39
/スケルツォ第3番 嬰ハ短調 Op. 39

んー。2次ラウンドから変わらず、2次ラウンド通過ラインくらいかなあという印象。ロン=ティボーのときはもう少し感動したのですが、周りのレベルの違いもあるのかな。

Hyuk Lee (Republic of Korea, 2000) ※1次ラウンド ※2次ラウンド
piano: Steinway & Sons
Impromptu in F sharp major Op. 36
/即興曲第2番 嬰ヘ長調 Op. 36
Ballade in A flat major Op. 47
/バラード第3番 変イ長調 Op. 47
Mazurka in E minor Op. 41 No. 1
/マズルカ ホ短調 Op. 41 No. 1
Mazurka in B major Op. 41 No. 2
/マズルカ ロ長調 Op. 41 No. 2
Mazurka in A flat major Op. 41 No. 3
/マズルカ 変イ長調 Op. 41 No. 3
Mazurka in C sharp minor Op. 41 No. 4
/マズルカ 嬰ハ短調 Op. 41 No. 4
Piano Sonata in B minor Op. 58
/ピアノソナタ第3番 ロ短調 Op. 58

この方も弟さんと同じくらいかなあ。前回ファイナリストの要素をまだ見つけられておらず。

Tianyou Li (China, 2004) ※1次ラウンド ※2次ラウンド
piano: Steinway & Sons
Mazurka in A minor Op. 59 No. 1
/マズルカ イ短調 Op. 59 No. 1
Mazurka in A flat major Op. 59 No. 2
/マズルカ 変イ長調 Op. 59 No. 2
Mazurka in F sharp minor Op. 59 No. 3
/マズルカ 嬰ヘ短調 Op. 59 No. 3
Sonata in B flat minor Op. 35
/ピアノソナタ第2番 変ロ短調 Op. 35
Variations in B flat major on a theme from Mozart’s ‘Don Giovanni’ (‘Là ci darem la mano’) Op. 2
/モーツァルト「ドン・ジョヴァンニ」の「お手をどうぞ」の主題による変奏曲 変ロ長調 Op. 2

マズルカはよかった。音がひとまとまりになっている感じというか、しっとりしていました。音色がとっても素敵だっただけに、曲が大きくなってくるとややぼんやり聞こえてしまうのが残念。

1日目まとめ

1日目お疲れさまでした🙇

今大会初めてお見かけしたDavid Khrikuliさんですが、その存在感は健在です。すごい。Tianyou Liさんはどうかな、とってもいいマズルカでしたが。桑原詩織もずっと安定感を保っていますね!

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