【2023.6.25】諏訪内 晶子×ラハフ・シャニ×ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団 公演感想 @ザ・シンフォニーホール(大阪)

コンサート日記
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こんにちは。いりこです。
6月25日(日)ザ・シンフォニーホール(大阪)にて行われた、諏訪内 晶子(ヴァイオリン)、ラハフ・シャニ(指揮)、ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団の公演に行ってきました。

公演に行かれた方とも、行かれてない方とも、感動を共有できたら嬉しいです。

諏訪内 晶子×ラハフ・シャニ×ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団

諏訪内 晶子(ヴァイオリン)

本日のソリスト。
世界3大ヴァイオリンコンクールと称されるエリザベート王妃国際コンクールで17歳で2位、同じくチャイコフスキー国際コンクールで18歳最年少優勝という輝かしい受賞歴をお持ちです。

ラハフ・シャニ(指揮)×ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団

指揮者のラハウ・シャニさん。1989年生まれの若手指揮者です。イスラエル出身。

イスラエルといえば、
イスラエルフィルのレベルが高いと噂だったり、
僕が大好きなルービンシュタインを冠した
国際ピアノコンクールが開催されていたりと、
何かと芸術色溢れるイメージです
(私の貧相な知識で語るにはややデリケートな話題かも)。

ロッテルダムフィルは、オランダ第2の都市に拠点を構えるオーケストラ。

シャニは2018年からロッテルダムフィルの首席指揮者を務め、勝手しったる間柄のようです。

プログラム/チケット情報

ABCクラシックガイドHP

2023年6月25日(日) 14:00開演 ザ・シンフォニーホール(大阪)

プログラム 

  • ボロディン:交響詩「中央アジアの草原にて」
    メンデルスゾーン/シャニ編曲:
    無言歌集より
    「失われた幸福」 ハ短調 (第3巻 Op.38-2)
    「ヴェネツィアの舟歌 第1番」ト短調 (第1巻 Op.19-6)
    「紡ぎ歌」 ハ長調 (第6巻 Op.67-4)
  • チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35
  • チャイコフスキー:交響曲第6番 ロ短調「悲愴」 Op.74

当初のプログラムから1曲目が変更されていました(6/7)。
原曲はピアノ曲の「無言歌集」から、指揮者シャニの編曲。彼はピアニストとしてのキャリアもあるようで、一期一会の機会は貴重で楽しみです。

そして、個人的に一大ブームを巻き起こした(笑)ヴァイオリン協奏曲。
先日聴きに行ったブラームスの協奏曲と同じ年に作曲された(豊作すぎて草)、
チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲
メロディーメーカーによる非常に抒情性豊かな大好きな曲です。

そして同じくチャイコフスキーの交響曲6番「悲愴」
オーケストラに疎い私の数少ない大好きな交響曲です。

と、なんとも私得なプログラムとなっています。楽しみ♪

先日のブラームスのヴァイオリン協奏曲も素晴らしかったです♪
↓こちらもよかったらご覧くださいませ。

チケット 

A席:18,000円
B席:15,000円
C席:12,000円
D席:9,000円

メンデルスゾーン/シャニ編曲:無言歌集より 「失われた幸福」 ハ短調 (第3巻 Op.38-2) 「ヴェネツィアの舟歌 第1番」ト短調 (第1巻 Op.19-6) 「紡ぎ歌」 ハ長調 (第6巻 Op.67-4)

ピアノ曲「無言歌集」の、
ピアニストでもある指揮者シャニが編曲を手掛けたオーケストラ版。
ピアニスティックな名曲が並ぶ小品集ですが、
どのように編曲されているのか楽しみです。

ところで、コントラバスが、会場からみて左側:1st, 2nd ヴァイオリンの後ろに配置してありました。そんな配置もあるんですね。新鮮でした。

さて、物憂げな「失われた幸福」
これはオーボエはじめ木管によるメロディがばっちりハマっており、
可憐さが残るピアノ版よりも、やさぐれ感というか人間味を感じました。

「舟歌」はメンデルスゾーン自身がつけた数少ない標題だそうです。
流れる3拍子の上に、これまた切なくも美しいメロディーが歌われます。

弦楽器の波の上を、木管が歌う。こちらも素敵な編曲と演奏でした。
個人的には冷たく流れるピアノの音が好みかな。

「紡ぎ歌」は結構ピアニスティックですので、
どうなるんだろうと(余計な)心配をしていました。

弦が細かいパッセージを刻み、木金管が軽やかに歌います。
3曲目にして朗らかな曲調。最後は可憐に消えゆくようなフィニッシュ。

計5分ちょっとでしたが、指揮者とオケのセンスが存分に楽しめました。

チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35

この曲は、ブラームスのヴァイオリン協奏曲と並んで4大ヴァイオリン協奏曲と称される名作です。

ヴァイオリンを弾いたことがなく、細部まで理解できないのが悔しいですが、
さすがはチャイコフスキー!どこを切り取っても絵になるドラマチックでエモい作品です。

諏訪内さんが銀色のドレスで登場。
女性ソリストの公演は初めてでしたが、視覚的に華やかなのが印象的。

第1楽章、
ニ長調の弱奏から一気に盛り上がり、いきなりヴァイオリンソロの出番。
そのまま第1主題を提示します。
そういえば同年に完成したブラームスのそれもニ長調ですね。

第2主題もこのまま進みます。
終始ヴァイオリンソロが主導というのも、ソリストを存分に味わえる要素です。

そしてこの曲の大サビは、オケによる第1主題の大合奏。
抒情的とか感傷的では片付けられない「エモい」メロディーなんですよね。
そして威厳・風格も同時に内包しています。天才です。

その後も終始明るいメロディーを、軽快なリズムで展開されるのですが、
ところどころに翳りが読み取れるのもエモ・ポイント。

コーダ(終結部)に向かい、ヴァイオリンソロの超絶技巧もてんこ盛り。
リズミカルな曲ですので、弦と弓の「摩擦」を多めに感じます。

転調を繰り返し、スピードも増していく。

今まで一緒に旋律を弾くことがなかった
オケとソロヴァイオリンが同じ旋律を弾くところもエモいですね。

そしてもう曲全体の締めなんじゃないかというほど盛大な盛り上がりを見せてフィナーレです。

第2楽章、
チャイコフスキーの作品は緩徐楽章が土臭く、
涙が流れてきたりしますので注意が必要です。

先ほどまでとは打って変わって、もう悲哀に満ち満ちています。

夢破れて田舎に帰ったのかな?

クラリネットのおじさまが印象的でしたね。
悲哀と少しの剽軽さが心の拠り所になってくれていました。

そんな状況の中、
光を求めて上へ上へと昇ろうとするオーケストラのパッセージを経て、
切れ目なく3楽章へ続きます。

第3楽章、
序奏は短く、第1主題的なリズムの強奏で、
オケが鬱々した空気を一層します。

それに勇気をもらった(?)ヴァイオリンソロが、
民族的な快活で明朗な主題を歌います。

非常にスピーディでリズミカル、スリルがあります。

第2主題は印象的に、ややテンポを落としますが、
完全に落ち込んでいる訳ではなさそう。
すぐにスピードを取り戻します。

そして回帰した第1主題を、オケとソロが掛け合いで演奏。
ここのヴァイオリンソロがめちゃくちゃかっこいい!ほぼ摩擦音、笑!

再びゆったりと第2主題を演奏し、またまた第1主題の掛け合い!
スピード感も盛り上がりも最高潮をキープしたまま熱狂的なフィナーレを迎えます。

この曲は目に見える形で「難しそう」

細かいパッセージやらアルペジオやらで忙しないヴァイオリンソロですが、
諏訪内さんは女王の風格でスラスラ弾き進めます。

やはりヴァイオリン一つでオケと渡り合う姿はとてもかっこいいですね。

そしてもちろんオケとの調和、掛け合いも魅力なこの曲。
息のあった連携プレイを見せてくれた指揮者、ロッテルダムフィルにもあっぱれです。

アンコール(ヴァイオリンソロ)

  • バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第3番 ハ長調 BWV1005 より ラルゴ

アンコールはバッハ。

先ほどのロマンティックの超絶技巧から一変。バロックの素朴で神秘的な響き。

一音たりとも聴き逃さぬよう、会場のみなさんの集中力もグッと上がっていたように思います。
とても濃い時間・空間でした。

チャイコフスキー:交響曲第6番 ロ短調「悲愴」 Op.74

チャイコフスキーの最後の大作。
この曲の初演の9日後にチャイコフスキーが急死するという事実と、
第4楽章の曲想も相まって、「死」と関連付けられることが多い曲だそう。

第4楽章の悲愴的な嘆きももちろんですが、
楽章それぞれキャラクターが立っていて聴きごたえがある交響曲です。

第1楽章、
非常にドラマチックな大曲。
暗い第1主題と、夢のような美しい第2主題の対比が印象的で、
楽章の最後には「悲愴」を通り越して「諦念」すら感じます。

仄暗い語りのような序奏から、弱々しい第1主題。
一瞬激情しますが、すぐに第2主題の夢の世界へ。
静かで優美なメロディーが次第に高揚し、このまま幸せな気持ちで過ごせるかと思いきや。。。

静寂の中、突然爆音によって叩き起こされます、
仄暗くも静かだった第1主題が、ここでは激烈に展開し、
現実が押し流れてきます。

金管楽器も鳴り響き、絶望的な音が耳にどんどん流れ込んでくる。
子供が聴いたら泣いちゃうんじゃないかな。

短い静寂を経て、突然温かい第2主題が流れ、一気に高揚しますが、
どういう気持ちで聴いていいのか分かりません。

先ほどのように、いつこの夢が覚めるか分かりません。
でも、頭でどれだけ分かっていても、身を委ねたくなるほど温かい。。。

このまま信じちゃっていいのかな。
苦悩を乗り越えた暁なのか、ただの諦めか。
心がぐちゃぐちゃのまま、しかし美しいまま静かに幕を閉じます。

第2楽章、
優雅な5拍子のワルツ。ロシア民謡では珍しくないとか違うとか。
悠長なメロディがチェロによって奏でられ、なんとも温かい。エモい。
さすがはチャイコフスキーですね。
夢の美しい世界の続きのような。

しかしどこか仄暗い曲調を内包しており、
特に中間部はロ短調で、あの絶望的な第4楽章に似た下降気味の雰囲気が歌われます。

第3楽章、
突然の行進曲。快活なスケルツォ。
曲全体を通してクレッシェンドして(だんだん大きくなって)いくのがとてもかっこいい。
序曲「1812年」のように単独でも演奏されそうな、
ある種勝利すら感じる、フィナーレを担えるような曲ですが、これがまだ3楽章。

この楽章自体とても推進力のある充実した曲なんですが、
比較的重たいこの曲においては、なんだか浮いているような、
「カラ元気」の印象すら受けます。

第4楽章を知り、改めてこの3楽章を聴いてみると、
いろいろと勘ぐってしまう不思議な魅力を持つ楽章です。

そして第4楽章、
切れ目なく入ります。ここは対比が大事ですからね、好みでした。

擦り切れるような痛みを感じる、文字通り痛切な嘆きが特徴です。

曲が進むにつれ、
この嘆きの主題に至るまでに上昇する「うねり」が大きくなっていき、
より下降形の嘆きが強調されていきます。

何度聴いても居た堪れない気持ちになります。

極め付けには銅鑼(タムタム)が一発。
この曲中で一回しか登場しません。

この一打によってあの世の門が開かれ、曲も収束の一途をたどります。

一つ、また一つと楽器が演奏をやめ、残るのはコントラバス。
心臓の鼓動のようなリズムがだんだんゆっくりとなり、静かに鼓動が止まります。

静寂の中しばらく佇む指揮者シャニさん。
非常に強烈な印象を残してくれました。

拍手喝采の中、最後は指揮者・オケ全員で一礼してくれました。
日本仕様なのか、リスペクトを持って来日してくれたことを感じます。ありがたいですね。

また、指揮者とオケのいい関係性も感じました。
演奏中、指揮を振らずに団員に任せている箇所も随所にありましたし、
カーテンコールでの団員から指揮者への賞賛は微笑ましい光景でした。

アンコール(オーケストラ)

  • エルガー:エニグマ変奏曲 より 第9変奏「ニムロッド」

最近なにかと縁があるエルガー。
曲名はよく目にしていましたが、変奏曲中でも有名な箇所のようですね。

「悲愴」で心がぐちゃぐちゃになっていましたので、穏やかに帰れてよかったです笑。

さいごに

長々と書いてしまいましたが、お読みいただきありがとうございました。

今日は好きな曲が並ぶプログラムで、初めて生で聴けたので満足度高めでした。

ところで、みなさんは、どうやってクラシックのコンサート情報を集めてらっしゃいますか?
自分で調べてみて、情報集めるのに一苦労でした。お知恵があればお教えいただきたいです!

先日のブラームスのヴァイオリン協奏曲も素晴らしかったです♪
↓こちらもよかったらご覧くださいませ。

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