【2025.6.3】ユリアンナ・アヴデーエワ 公演感想 @ミューザ川崎シンフォニーホール

コンサート日記
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こんにちは。いりこです。
6月3日(火)ミューザ川崎シンフォニーホールにて行われた、ユリアンナ・アヴデーエワ(ピアノ)のソロ公演に行ってきました。

筆者のなかで注目度が高いピアニストのコンサートに初参加!

公演に行かれた方とも、行かれてない方とも、この感動を共有できたら嬉しいです。

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2010年ショパンコンクール覇者:ユリアンナ・アヴデーエワ

【公式HP】https://www.avdeevapiano.com/

2010年ショパン国際コンクール覇者。

  • アルゲリッチ以来45年ぶりの女性優勝者(+ソナタ賞)
  • われらがYAMAHAを演奏した初の優勝者

と、まさに我が道を行く孤高のピアニストです。

10年近く前にファイナルの協奏曲を聴いてみたときにしっくりこず、その後フォローしてなかったのですが、友人の勧めで再度聴いてみたところ、ソロ曲に彼女の神髄を感じました。今やすっかり大ファン。

音のまろやかさ、手の込んだ構成、そしてスケールの大きな語り口。
十分にロマンチックながら大げさでないというバランス感覚。

ほとんど哲学者のような深みで、王道からは外れていると思いますが、ここ最近の優勝者の中でも群を抜いた完成度で、”コンテスタント”としては異様なほど。

そんな彼女の来日公演が、しかもソロプログラムで楽しめということで、チケット買ってみました!

プログラム/チケット情報

公演情報:神奈川芸術協会

2025年6月3日(土) 19:00開演 ミューザ川崎シンフォニーホール 

プログラム

  • ショスタコーヴィチ:24の前奏曲とフーガ Op.87 より
    第1番 ハ長調
    第2番 イ短調
    第6番 ロ短調
    第7番 イ長調
    第12番 嬰ト短調
    第14番 変ホ短調
    第24番 ニ短調
  • ショパン:24の前奏曲 Op.28

音楽の父バッハを通じてつながるショパンの「24の前奏曲」ショスタコーヴィチの「24の前奏曲とフーガ」

没後50年を迎えるショスタコーヴィチと同郷で、ショパンコンクール覇者というアヴデーエワ。これ以上適任はいないですね、とても贅沢なプログラムです。

チケット

S席:7,000円
A席:5,000円
P席:3,000円

ショスタコーヴィチ・・・の前に

館内アナウンスがめちゃくちゃ丁寧!

スマホの電源、話し声はもちろん、飴の包み紙まで。そう、これがあるあるなんですよね。咳き込まないためだと思いますが、公演中はとてつもなく響きますから。ぜひとも開演前にお願いしたいですね。

ショスタコーヴィチ:24の前奏曲とフーガ Op. 87 より

第1番 ハ長調
第2番 イ短調
第6番 ロ短調
第7番 イ長調
第12番 嬰ト短調
第14番 変ホ短調
第24番 ニ短調

【ピアノの旧約聖書】と称賛されるバッハ「平均律クラヴィーア曲集」にならい、24の全ての調性を網羅した、前奏曲とフーガからなるこの曲集。

1950年、バッハの没後200年を記念して開催された第1回バッハ国際コンクールに審査員として参加したことがきっかけとされていて、バッハ国際コンクールの1次予選では「バッハの前奏曲とフーガから1曲、ショスタコーヴィチの前奏曲とフーガから1曲」が課題曲とされているほど、深いつながりがある2つの曲集です。

今回は抜粋ですが、6月14日公演ではなんと2時間半に及ぶ全曲演奏が控えます。筆者はこちらも足を運ぶ予定で楽しみです。

まず会場、ブレハッチ以来2回目で、今回は4階席なんですが、音がすごい飛んでくるし、弱音から鍵盤が底をつく音まで聞こえる。

アヴデーエワは、相変わらず定期的にミスタッチするけど笑、そんなことどうでも良くなるほど豊な時間。特に多声の処理が抜群。

消え入りそうな高音の旋律を横目に容赦なく響く内声、とにかく三声がぶつかりまくる演奏も、立体的というか深みがすごい。

7番のフーガなんかはただただ美しかったし、24番終曲はなんかプラネタリウムみてるみたいな、途中から完全に身を任せて聴いていて、宇宙まで連れて行かれるような広がり。

でも同時に引力もすごくて、とても引き込まれる。小さい世界から大きい世界まで自由自在。

そしてこれ大事ポイントですが、演奏姿がエレガント!たまに振りかぶって刺す低音がかっこいい、たまにしか出ないのがまたいい。

ショスタコも、この曲集もとっつきにくいとは思いますが、耳に残るメロディもたくさん出てきて少しずつ覚えてきました。全曲公演も楽しみです。

ショパン:24の前奏曲 Op.28

本日のメインはこちら、ショパンの「24の前奏曲」全曲。
ショスタコーヴィチの前奏曲との面白い組み合わせを楽しめる以前に、ショパンコンクールの覇者による全曲演奏というだけで十分にチケット代の元はとれるのです笑。

こちらの記事でご紹介したとおり、2025年ショパンコンクールからこの「前奏曲」の演奏が必須になったほど、名曲揃いのショパンの中でも重要な曲集です。

さてショパン。

初めての前奏曲を生鑑賞。それがアヴデーエワなんて贅沢です。

意外にもサクサク弾き進めていきますが、やはり綺麗な音色によく統制された音。

多声をやらせてもよし、ロマン派ど真ん中のメロディをやらせてもよし、ほんとに死角のないピアニストですね。

印象的だったのは13番、唯一ここで少し間を置きました。からの、ただただ美しい時間。。。

全体的にですが、やはりメロディ以外の発見をたくさん、それも自然に差し込んでみせてくれます。そして雨だれなんて、耳にタコができるほど聴いてきましたけど、素敵です。真っ向勝負で美しいんですが、中間部の低音の重ね方と言うか、そこを立たせてくるかぁという箇所もあり、さすがです。

そして大好きな16番、割とオーソドックスに弾いていたイメージです、幸せ。

なんかもやがかったような表現をする、これがなんか煮え切らなく聴こえる時もありますが、重要なものだけが浮かび上がってくるので面白く感じてきました。

ショパンは比較的強音を繰り出さず、そして早めのテンポで淡々と進んだ印象です。が、先述のとおり音色の美しさと新しい発見を見せてくれる濃密な時間でした。

アンコール:ショスタコーヴィチ 24の前奏曲とフーガ Op. 87 から 第5番と第15番の前奏曲!

まずアンコール弾いてくれるタイプなんですね!すてきです。

大喝采の中、静かな5番ニ長調でぎゅーっと空間が凝縮される、とても不思議な体験。このポワンポワンがほんとに星の瞬きのようで、これこそプラネタリウムでした笑。

そして15番!うれしい!

しかしこれがまた速い速い。後半オクターブの連続なの忘れてる??重音もてんこ盛りだよ???コンクールで苦労してる人たくさんみてきたよ????という余計なお世話が浮かんできましたが、彼女はショパンコンクールの覇者なのです。やはり技術力もピカイチですね、何でもないところで音外したりするだけで笑。

これはもう大盛り上がりのフィナーレです。

そして何より所作が美しい。毎回後方にもお辞儀をしていますし、カーテンコールにも丁寧に応えてくれました、アンコールも二曲も!感激です。

さいごに

これは個人的には満足度ランキングは高いコンサートでした。

ピアニスト・プログラムはもちろん、この会場は音響がいいのかしら。マイク使ってるかと思うくらい4階にも音がよく飛んできて、アヴデーエワの多彩な表現を具に伝えてくれました。

来週にはショスタコーヴィチの「前奏曲とフーガ」全曲公演!もう少し予習してみてみよう。

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