こんにちは。いりこです。
2025年にポイント還元問題で揺れたふるさと納税、そのルールが2026年10月1日からまた変わります。返礼品の「地場産品」の基準が厳しくなり、対応できない返礼品は9月30日で受付終了。続く返礼品も10月以降は寄附額や容量が変わる可能性があると告知されています。
「今年は9月までに」「10月から改悪」と言われる理由はこれです。
ただし安心していただきたいのが、9月を過ぎても今年分の控除は受けられます。期限はこれまでどおり12月31日。
それでも9月中がいい理由と、ポイント還元が無くなったいまの寄附先の選び方をまとめました。
先に結論:今年は9月中に済ませるのが正解、理由は2つ
- 10月1日から返礼品の基準が厳しくなる:新基準に対応できない返礼品は9月30日で受付終了、続く品も寄附額・容量が変わる可能性あり(各ポータルが告知済み)
- 自治体が使える経費の上限が10月から下がる:募集費用の上限は現在の50%から2026年10月に47.5%へ、2029年10月には40%へ(総務省)
10月1日の改定は全員に一律で効きます。寄附する側に選べるのは、変わる前に済ませるか、変わったあとに寄附するかだけ。
現在の返礼品は「量や寄附額が変わる(改悪)前」の、いちばん選択肢が多い状態です。せっかくなので9月中に上限額を出し、寄附まで済ませてしまうのがおすすめです。
9月30日までにやる3ステップ
- 上限額を確認する:総務省の目安表か、楽天ふるさと納税などのシミュレーターで、今年の見込み年収をもとに計算する
- ポータルサイトと返礼品を選ぶ
- 9月30日までに申し込む:決済まで済ませておく(後ほど解説しますが、JALのLSP夏のボーナスキャンペーンを狙うなら8月中の実施がおすすめ!)
ひとつだけ注意。上限いっぱいまで使い切らないほうが安全です。年の後半に急な入院や通院で医療費がかさむと、医療費控除を使ったぶん上限が下がることがあります。少し余裕を持たせて寄附しておいて、年末に微調整するのがおすすめです。
そして寄附しただけでは控除されません。ワンストップ特例か確定申告、どちらかの手続きが必要になることをお忘れなく。
どこで寄附する?―ポータルサイトによる違いはほとんどゼロに
ポータルが寄附にポイントを付けることは2025年10月から総務省の告示で禁止され、大人気だった楽天も今や「SPU・買い回りカウント」はすべて対象外。残るのは決済側のカードの通常ポイントくらい。だからポータルはどこでも大丈夫です。
- 楽天ふるさと納税:SPU・買い回りは対象外になりましたが、掲載数が多くまだまだ第一候補
- Amazonふるさと納税:Amazonのアカウントと登録済みのカードでそのまま寄附でき、返礼品によっては最短翌日に届く
- au PAY ふるさと納税
:au PAY・Pontaポイントで寄附できる - JALふるさと納税・ANAのふるさと納税:どちらも寄附額に応じたマイル積算は2025年9月30日の寄附分で終了、いま付くのはカード決済分のマイルだけ
さらに、JALカードで払う方は、8月中の寄附ならLSP夏のボーナスの「JALカード10万円」にもカウントされます(ふるさと納税はショッピングマイル積算対象)。まだ達成が見えていない方には、どうせ払う税金の前払いがいちばん無理がありません。
総務省の見直しで10月から変わる3点
①地場産品の基準が厳しくなり、9月30日で終わる返礼品も
返礼品は「その自治体の地場産品」であることが条件ですが、10月からは返礼品の価値の過半がその区域内での製造・加工で生まれていることを、自治体が算出して証明・公表しなければならなくなります。調達価格も、一般的な販売価格を踏まえた適正な価格に見直されます。
対応できない返礼品は2026年9月30日で受付終了、続く品も寄附金額や容量が変わる可能性があります。
②自治体に残るお金を6割以上に、募集費用の上限は50%→40%へ
返礼品・送料・ポータル手数料・事務費といった募集費用の上限が、段階的に下がります。返礼品の上限「寄附額の3割」は変わりません。
問題は、この枠に送料も手数料も全部入ることです。2025年度の経費率は47.9%で、すでに上限ぎりぎり。そこに物価高による送料の上昇が重なっているので、10月に枠が47.5%へ下がればどこかを削るしかありません。削り先は返礼品です。同じ返礼品が値上がりするか、量が減るか。これが「改悪」の中身です。
| 適用時期 | 自治体が使える割合 | 募集費用の上限 |
|---|---|---|
| 2026年9月まで | 50%以上 | 50% |
| 2026年10月〜 | 52.5%以上 | 47.5% |
| 2027年10月〜 | 55%以上 | 45% |
| 2028年10月〜 | 57.5%以上 | 42.5% |
| 2029年10月〜 | 60%以上 | 40% |
③高所得者の控除に上限193万円(ほぼ全員に関係なし)
住民税の特例控除額に193万円の上限(給与収入1億円相当)。2027年の寄附分からで、年収1億円未満には影響なしです。
「改悪」の裏側|寄附の1割超がポータルサイトに流れていた
寄附する側にとっては、まぎれもなく改悪です。ただ改正の狙いは地域に残るお金を増やすという原点に立ち止まることあります。
総務省の調査では2025年度の寄附1兆3,314億円のうち募集費用が47.9%。返礼品が26.5%で、ポータル運営事業者への支払いだけで寄附額の11.5%。税の控除で集めた公金の1割超が、地域ではなくサイト運営会社に渡っていた計算です。
思い出すのが、楽天の反対署名です。2025年3月に295万2,819件の署名を石破首相に提出し、7月には告示の無効確認を求めて提訴までしています。「地方自治体と民間企業の連携を否定するもの」という主張自体はうなずける部分もありますが、ポイントで寄附を集める仕組み=手数料収入を守る戦いという面も強かったように思います。
とはいえ、ポータルの集客力に一理あったのも事実です。日本経済新聞 2026年8月14日の見出しはそのまま「集客力・宣伝費、民に及ばず」。自治体からは「これ以上は削減できない」(四国の市)との悲鳴が上がり、2018年に独自サイトを始めた山梨県富士吉田市でも、その利用は寄附全体の数%にとどまるといいます。テレビCMを打てる民間の力で、この制度が広まったことは否定できません。
一方で、2025年度は上位50自治体が寄附全体の3割を集めています。人気の自治体と人気の返礼品に集中し、その分人気がない市町村の税収が抜ける、そしてそこに民間の手数料も取られる。「税金の取り合い」に近い形になってきたのは、本来のふるさと納税の理念からは外れているのでしょう。10月の改正は、そこを引き戻す一手だと受け取っています。
ちなみに独自サイトを立ち上げる市区は1割にのぼり、浮いた手数料で一部の返礼品の返礼率を仲介サイトより上げる方針もあるようです。応援したい自治体があるなら、公式サイトの窓口をのぞいてみるのも手です。
いくらまで寄附できる?上限額の考え方と「下がる罠」
自己負担2,000円で済む上限は、住民税の所得割額の20%で頭打ちになる仕組み。年収と家族構成ごとの目安は総務省の「全額控除されるふるさと納税額(年間上限)の目安」にあります。楽天ふるさと納税などの各シミュレーターも同じ仕組みです。
社会保険料/生命保険/医療費控除/iDeCo/寄附金控除(ふるさと納税の所得税分)
住宅ローン控除/ふるさと納税の住民税分(基本分10%+特例分)
ふるさと納税の上限は住民税の所得割額×20%で頭打ちになります。だから医療費控除やiDeCo(課税所得を下げる)、住宅ローン控除(税額を下げる)を使う年は、所得割額が下がって上限も下がります。上限いっぱいを狙わないほうが安全なのは、これが理由です。
目安より上限が下がるのは、こんなケース。
- 住宅ローン控除・医療費控除・iDeCoなどで、住民税が減る
- 副業や個人事業で赤字を出して、給与と損益通算している
- 年の途中で転職・退職・休職して、年収が前年より減った
上限は「去年の年収」ではなく「今年の所得」で決まります。年内に収入や控除が変わる見込みなら、少なめに寄附して12月に微調整するのが安全です。
よくある質問(FAQ)
Q. 9月中にしないと損をする?
A. 控除の面では損をしません。10月以降の寄附も2026年分として控除されます。急ぐ理由は、10月1日からの基準変更で受付終了・内容変更になる返礼品があるためです。改定は全員に一律なので、いま並んでいる返礼品をいまの寄附額で受け取りたいなら9月30日までです。
Q. 2026年10月から具体的に何が変わる?
A. ①返礼品の地場産品基準の厳格化(価値の過半が区域内で生まれていることの証明・公表、調達価格の適正化)、②自治体が使える寄附金の割合を60%以上とする基準の新設(2026年10月に52.5%から段階適用、2029年10月に60%)、③高所得者の特例控除に193万円の上限(2027年寄附分から)の3点です。返礼品の「3割以下」ルールは変わりません。
Q. ワンストップ特例の期限は?
A. 申請書は寄附した翌年の1月10日必着です。寄附先が5団体以内で確定申告をしない給与所得者などが対象で、6団体以上に寄附した人や確定申告をする人は、確定申告で寄附金控除を申告します。
まとめ:9月中に済ませて、あとは年末に微調整
9月30日で受付が終わる返礼品があり、続く品も内容が変わります。いま並んでいる返礼品を、いまの寄附額で受け取れるのは9月30日まで。控除の期限は12月31日のままなので、上限まで使い切る必要はなく、迷う分は12月に微調整すればOKです。
おまけ|日経新聞は無料で読めます
最後にひとつ。自治体の側で何が起きているかを教えてくれたのは日本経済新聞 2026年8月14日の記事でした。こういう背景を知っていると、10月以降に返礼品が変わっても理由が読めます。
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参考(一次情報):総務省「ふるさと納税について(指定基準に係る告示改正)」2026年3月24日/総務省「ふるさと納税に関する現況調査結果(令和8年度実施)」2026年7月31日



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