【2025.5.14】エリザベート王妃国際音楽コンクール ピアノ2025 セミファイナル3日目

エリザベート王妃国際音楽コンクール
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こんにちは。いりこです。

ショパンコンクール予備予選の盛り上がりも冷めやらぬ中、5月5日からベルギー・ブリュッセルでエリザベート王妃国際音楽コンクールが開催されます。

2025年は大コンクールイヤー!
こちらの記事でまとめた15のコンクールのうち7つが開催されます。そして10月には、つい先日予備予選が行われた最高峰ショパン国際コンクールの本大会も控えます。

バッハ国際ロン=ティボー国際に続いて、早くも3つ目のコンクールです。

記事執筆が出遅れておりますが、5月後半からはヴァン・クライバーンも迫っているのでね・・・頑張って追いつくぞ。

60名から24名にまで絞れらたセミファイナル、協奏曲+ソロ(40分、未出版の課題曲含む)という引き続きタフなラウンドです。

3日目は注目ピアニスト多数!Nikola MeeuwsenSergey TaninArthur Hinnewinkel(以上協奏曲)、そして亀井聖矢久末航(共にリサイタル)に注目!

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エリザベート王妃国際音楽コンクール 概要

【公式HP】(フランス語・英語)https://queenelisabethcompetition.be/en/
【公式YouTube】https://youtube.com/@queenelisabethcompetition
※ライブ配信・アーカイブは公式HPのみ!

ショパン国際、チャイコフスキー国際と並んで世界三大ピアノコンクールと称されているコンクール。

三大コンクールの中で最も歴史が古く、また他2つと異なり特定の作曲家を冠していないのが特徴で、比較的公平だとみなされるようです。

ピアノのほかに、ヴァイオリン・声楽・チェロ(以前は作曲)部門があり、各部門順番で毎年開催されています。

優勝者には第1回ギレリスをはじめ、アシュケナージ、エル=バシャ、入賞者にはベルマン、ペトロフ、内田光子、カツァリスとなかなか豪華なお名前が並んでいます。前回2021年には務川 慧悟(第3位)/阪田 知樹(第4位)が入賞して話題になりました。

  • 概要
    開催地:ブリュッセル(ベルギー)
    開催間隔:各部門4年に1度(前回:2021年5月(2020年から延期)、次回:2025年)
    歴史:ピアノ部門第1回1938年
  • 主な優勝者・入賞者
    優勝者:エミール・ギレリス(1938)、ウラディミール・アシュケナージ(1956)、アブデル・ラーマン・エル=バシャ(1978)、ジョナタン・フルネル(2021)

    入賞者:ラザール・ベルマン(1956年第5位)、ニコライ・ペトロフ(1964年第2位)、内田 光子(1968年第10位)、シプリアン・カツァリス(1972年第9位)、務川 慧悟(2021年第3位)、阪田 知樹(2021年第4位)

スケジュール

第1次予選(60名):2025年5月5日(月)~ 5月10日(土)

セミファイナル(24名):2025年5月12日(月)~ 5月17日(土)
5月12日(月)15:00(日本時間22:00)、20:00(日本時間 翌3:00)
5月13日(火)15:00(日本時間22:00)、20:00(日本時間 翌3:00)

5月14日(水)15:00(日本時間22:00)、20:00(日本時間 翌3:00)
5月15日(木)15:00(日本時間22:00)、20:00(日本時間 翌3:00)
5月16日(金)15:00(日本時間22:00)、20:00(日本時間 翌3:00)
5月17日(土)15:00(日本時間22:00)、20:00(日本時間 翌3:00)

ファイナル(12名):2025年5月26日(月)~ 5月31日(土)

とにかく長丁場!セミファイナル・ファイナルの両方で未出版の課題曲が差し込まれるなど、質・量ともにタフなたたかいとなります。

プログラム

セミファイナル(24名)

演奏時間:リサイタル約40分、協奏曲約30分

各セッションは2部構成で、4名のファイナリストが登壇する。最初の2名はモーツァルトの協奏曲を、あとの2名がリサイタルを演奏する。
候補者は、リサイタルと協奏曲を異なる日に演奏する。

Recital/リサイタル

  • Works of the candidate’s choice/自由選択の作品
  • An unpublished work (lasting about 5 minutes), Two Studies for Piano, written especially for this year’s edition by Ana Sokolovic
    /「Two Studies for Piano」(本大会のために作曲されたアナ・ソコロヴィッチ作曲の未出版の課題曲、約5分)

Two different and coherent recital programmes of maximum 30 minutes of music each, containing one or several works of choice.
/2種類の一貫性あるリサイタルプログラム(各30分以内)、それぞれに1曲以上の自由選択作品を含める。

The jury will choose one of two recital programmes proposed by the candidate, each including
/審査員は、候補者が提出した2つのプログラムのうち1つを選択する。

This work will be communicated to the candidates after the definitive acceptance of their application. This work may not be performed in public in advance of the competition.
/課題曲は、応募が正式に受理された後に候補者に提供される。コンクール前に公の場で演奏することはできない。

Concerto/協奏曲
以下のモーツァルトの協奏曲から1曲。

K.271(第9番 変ホ長調)
K.450(第15番 変ロ長調)
K.453(第17番 ト長調)
K.456(第18番 変ロ長調)
K.595(第27番 変ロ長調)

They will be accompanied by the Orchestre Royal de Chambre de Wallonie, conducted by Vahan Mardirossian.
ヴァハン・マルディロシアン指揮によるワロニー王立室内管弦楽団との共演で演奏する。

Candidates may play their own cadenzas.
/候補者は自作のカデンツァを演奏してもよい。

5月14日(水)15:00(日本時間22:00)

Nikola Meeuwsen (The Netherlands, Year of birth: 2002) ※予選[5.6]
Wolfgang Amadeus Mozart: Concerto n. 9 in E flat major KV 271
/モーツァルト:ピアノ協奏曲第9番 変ホ長調 KV271

予選のベートーヴェンよろしく、言ってしまえばめちゃくちゃですが、なんだろう、届いてくる音が違う気がします。品があって芯があって。不思議な感覚です。

Sergey Tanin (Russian Federation, Year of birth: 1995) ※予選[5.7]
Wolfgang Amadeus Mozart: Concerto n. 18 in B flat major KV 456
/モーツァルト:ピアノ協奏曲第18番 変ロ長調 KV456

変ロ長調、演奏や音色もまとまっていてすごい、「正解」って感じがします。お気に入りのピアニストの一人です!

Jinhyung Park (Korea, Year of birth: 1996) ※予選[5.10]
Ana Sokolović: Two Studies for Piano
/ソコロヴィッチ:ピアノのための2つの練習曲
Robert Schumann: Fantasie in C major op. 17
/シューマン:幻想曲 ハ長調 Op.17

最近シューマン勉強中ですが、すごい曲をたくさん書いてますね。演奏もよかったです。

Changyong Shin (Korea, Year of birth: 1994) ※予選[5.10]
Domenico Scarlatti: Sonata in B minor K 27
/スカルラッティ:ソナタ ロ短調 K.27
Ana Sokolović: Two Studies for Piano
/ソコロヴィッチ:ピアノのための2つの練習曲
Robert Schumann: Humoreske in B flat major op. 20
/シューマン:フモレスケ 変ロ長調 Op.20

立て続けにシューマン。「フモレスクとは、喜び、悲しみ、笑い、涙など、様々な感情が交差したような状態を言い、シューマン自身は、『ドイツ人に特有な〈情緒的と知的とのたくみな融合〉」と言っている』(ピティナ・ピアノ曲事典)」だそうです。

5月14日(水)20:00(日本時間 翌3:00)

Arthur Hinnewinkel (France, Year of birth: 2000) ※予選[5.8]
Wolfgang Amadeus Mozart: Concerto n. 17 in G major KV 453
/モーツァルト:ピアノ協奏曲第17番 ト長調 KV453

布のようにしなやかで”面”のような連なりのある音から、フレーズの切れ目、メロディラインまで、一音一音のアーティキュレーションに配慮された丁寧な演奏が印象的。好きな17番の中でも特に好みの演奏でしたし、今大会一押しのピアニストとなりました。

Masaya Kamei (Japan, Year of birth: 2001) ※予選[5.10]
Ana Sokolović: Two Studies for Piano
/ソコロヴィッチ:ピアノのための2つの練習曲
Alban Berg: Sonata op. 1
/ベルク:ソナタ Op.1
Toshio Hosokawa: “Haiku” for Pierre Boulez
/細川俊夫:ピエール・ブーレーズのための俳句
Franz Liszt: Réminiscences de Norma
/リスト:ノルマの回想

現代曲が続いてからの→最後のノルマの回想はお見事でした。個人的にはこういうプログラムで生きるような印象がありますね。

Wataru Hisasue (Japan, Year of birth: 1994) ※予選[5.10]
Ana Sokolović: Two Studies for Piano
/ソコロヴィッチ:ピアノのための2つの練習曲
Béla Bartók: 3 Burlesques Sz. 47
/バルトーク:3つのブルレスケ Sz.47
Ludwig van Beethoven: Sonata n. 23 in F minor op. 57
/ベートーヴェン:ソナタ第23番 「熱情」 ヘ短調 Op.57

ベートーヴェン「熱情」は超がつくほど人気曲ですが、単純に技術的に難しく、これだけきちんと弾けるピアニストは多くないと思います。あと、課題曲の練習曲は順番が逆でしたね、今大会初めてでこれもOKなんだという発見。

セミファイナル3日目まとめ

セミファイナル3日目お疲れさまでしたm(_ _)m
6日続いた予選に続いて、このラウンドも6日間開催されます。

モーツァルトの協奏曲を課しているコンクールは割と見かけますが、「誰が24人でやるねん」てところでしょうか笑。しかもリサイタルも課すという、審査員泣かせでもありそう。

しかし、20曲以上あって敬遠していたモーツァルトの協奏曲を楽しめるいい機会です。17番ト長調が今のところ好みです。全部いいですけどね。

今日は注目のピアニストばかりで大忙し!特に、Sergey TaninArthur Hinnewinkel(ともに協奏曲)は今大会で筆者イチオシとなりました。早くリサイタルも聴きたいし、ファイナルにも残ってほしい!そしてNikola Meeuwsen(協奏曲)、亀井聖矢久末航(共にリサイタル)日本勢も素晴らしい演奏でした。

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