【2025.5.8】エリザベート王妃国際音楽コンクール ピアノ2025 予選4日目

エリザベート王妃国際音楽コンクール
https://www.facebook.com/share/p/1KUvYcZsaQ/
この記事は約13分で読めます。
本サイトで紹介している商品等の外部リンクには、アフィリエイト広告を利用しているものがあります

こんにちは。いりこです。

ショパンコンクール予備予選の盛り上がりも冷めやらぬ中、5月5日からベルギー・ブリュッセルでエリザベート王妃国際音楽コンクールが開催されます。

2025年は大コンクールイヤー!
こちらの記事でまとめた15のコンクールのうち7つが開催されます。そして10月には、つい先日予備予選が行われた最高峰ショパン国際コンクールの本大会も控えます。

バッハ国際ロン=ティボー国際に続いて、早くも3つ目のコンクールです。

記事執筆が出遅れておりますが、5月後半からはヴァン・クライバーンも迫っているのでね・・・頑張って追いつくぞ。

ブログと連携したXアカウントを開設しました!

記事の更新情報などを、よりタイムリーに発信

フォローで最新情報をゲット!👉 @iriko_music

エリザベート王妃国際音楽コンクール 概要

【公式HP】(フランス語・英語)https://queenelisabethcompetition.be/en/
【公式YouTube】https://youtube.com/@queenelisabethcompetition
※ライブ配信・アーカイブは公式HPのみ!

ショパン国際、チャイコフスキー国際と並んで世界三大ピアノコンクールと称されているコンクール。

三大コンクールの中で最も歴史が古く、また他2つと異なり特定の作曲家を冠していないのが特徴で、比較的公平だとみなされるようです。

ピアノのほかに、ヴァイオリン・声楽・チェロ(以前は作曲)部門があり、各部門順番で毎年開催されています。

優勝者には第1回ギレリスをはじめ、アシュケナージ、エル=バシャ、入賞者にはベルマン、ペトロフ、内田光子、カツァリスとなかなか豪華なお名前が並んでいます。前回2021年には務川 慧悟(第3位)/阪田 知樹(第4位)が入賞して話題になりました。

  • 概要
    開催地:ブリュッセル(ベルギー)
    開催間隔:各部門4年に1度(前回:2021年5月(2020年から延期)、次回:2025年)
    歴史:ピアノ部門第1回1938年
  • 主な優勝者・入賞者
    優勝者:エミール・ギレリス(1938)、ウラディミール・アシュケナージ(1956)、アブデル・ラーマン・エル=バシャ(1978)、ジョナタン・フルネル(2021)

    入賞者:ラザール・ベルマン(1956年第5位)、ニコライ・ペトロフ(1964年第2位)、内田 光子(1968年第10位)、シプリアン・カツァリス(1972年第9位)、務川 慧悟(2021年第3位)、阪田 知樹(2021年第4位)

スケジュール

第1次予選(60名):2025年5月5日(月)~ 5月10日(土)
5月5日(月)15:00(日本時間22:00)、20:00(日本時間 翌3:00)
5月6日(火)15:00(日本時間22:00)、20:00(日本時間 翌3:00)

5月7日(水)15:00(日本時間22:00)、20:00(日本時間 翌3:00)
5月8日(木)15:00(日本時間22:00)、20:00(日本時間 翌3:00)
5月9日(金)15:00(日本時間22:00)、20:00(日本時間 翌3:00)
5月10日(土)15:00(日本時間22:00)、20:00(日本時間 翌3:00)

セミファイナル(24名):2025年5月12日(月)~ 5月17日(土)

ファイナル(12名):2025年5月26日(月)~ 5月31日(土)

とにかく長丁場!セミファイナル・ファイナルの両方で未出版の課題曲が差し込まれるなど、質・量ともにタフなたたかいとなります。

プログラム

第1次予選(60名)

演奏時間:約25分

  • The first movement of a sonata by Haydn, Mozart or Beethoven (up to and including op.31).
    ハイドンモーツァルト、またはベートーヴェン(作品番号31以前)作曲のソナタの第1楽章
  • A work of choice. /自由選択の作品

The duration of both above mentioned works combined must not exceed 14 minutes.
/上記2作品の合計演奏時間は14分を超えてはならない。

  • Four études:/4つのエチュード:
    a. an étude by Chopin;/ショパンによるエチュード1曲
    b. an étude by Liszt;/リストによるエチュード1曲
    c. an étude by Ligeti;/リゲティによるエチュード1曲
    d. an étude of choice, written by another composer than Chopin, Liszt or Ligeti.
    /ショパン、リスト、リゲティ以外の作曲家による自由選択のエチュード1曲

Each candidate will play the works or excerpts from works that the jury will choose from among the works proposed. The jury’s choice will be communicated to the candidate one hour before the performance. The candidate will choose the order in which he or she will play the different works in his or her programme.
/候補者は、提出したプログラムの中から、審査員が選んだ作品またはその抜粋を演奏する。審査員の選択は、演奏の1時間前に候補者に通知される。プログラム内の演奏順は自由。

5月8日(木)15:00(日本時間22:00)

Miguel Iglesias Lista (Spain, Year of birth: 2002)
Wolfgang Amadeus Mozart: Molto allegro (Sonata n. 14 in C minor KV 457)
/モーツァルト:ソナタ第14番 ハ短調 KV457より モルト・アレグロ
Fryderyk Chopin: Etude in F major op. 10/8
/ショパン:エチュード ヘ長調 Op.10-8
Franz Liszt: Grande étude de Paganini n. 6
/リスト:パガニーニによる大練習曲 S.141 より 第6番 イ短調
Aleksandr Skryabin: Sonata n. 4 in F sharp major op. 30
/スクリャービン:ソナタ第4番 嬰ヘ長調 Op.30

Kuan-Wei Chen (Taiwan, Year of birth: 2000)
Joseph Haydn: Allegro moderato (Sonata in B minor Hob. XVI:32)
/ハイドン:ソナタ ロ短調 Hob. XVI:32 より アレグロ・モデラート
Fryderyk Chopin: Etude in A flat major op. 10/10
/ショパン:エチュード 変イ長調 Op.10-10
Sergey Rachmaninov: Etude-tableau in D major op. 39/9
/ラフマニノフ:絵画的練習曲「音の絵」 ニ長調 Op.39-9
Aleksandr Skryabin: Sonata n. 5 op. 53
/スクリャービン:ソナタ第5番 Op.53

Arthur Hinnewinkel (France, Year of birth: 2000)
Franz Liszt: Etude de concert S 144/2 “La leggierezza”
/リスト:3つの演奏会用練習曲 S.144 より 第2番「軽やかさ」
György Ligeti: Etude n. 8 “Fém”
/リゲティ:エチュード第8番 「金属」
Joseph Haydn: Allegro (Sonata in E flat major Hob. XVI:49)
/ハイドン:ソナタ 変ホ長調 Hob. XVI:49 より アレグロ
Maurice Ravel: Jeux d’eau
/ラヴェル:水の戯れ

すごかった、、、まず古典派のソナタから始めるピアニストが多い中、1曲目にリスト、しかも「軽やか」どころでは形容しきれない圧迫感というか狂気を感じました。一転してハイドンは伸びやかでとても余裕を感じる演奏。そして相当背が高そうで鍵盤がとても低いです笑。

Alexander Kashpurin (Russian Federation, Year of birth: 1996)
Wolfgang Amadeus Mozart: Allegro (Sonata n. 13 in B flat major KV 333)
/モーツァルト:ソナタ第13番 変ロ長調 KV333より アレグロ
György Ligeti: Etude n. 3 “Touches bloquées”
/リゲティ:エチュード第3番 「妨げられた打鍵」
Franz Liszt: Etude d’exécution transcendante n. 5 “Feux follets”
/リスト:超絶技巧練習曲第5番「鬼火」 S.139-5
Nikolai Medtner: Canzona serenata op. 38/6
/メトネル:忘れられた調べ 第1集 より 「夕べの歌」 Op.38-6

なんとも自由なモーツァルト。超超難曲の「鬼火」を持ってくるピアニストが5人もいて気合を感じますが、やはり難しいそうです。メトネルは神秘的な響きのイメージが強かったですが、この曲はひたすらにメロディアスでエモい曲でした。

Emin Kiourktchian (Spain, Russian Federation, Year of birth: 2004)
Wolfgang Amadeus Mozart: Allegro con spirito (Sonata n. 9 in D major KV 311)
/モーツァルト:ソナタ第9番 ニ長調 KV 311 より アレグロ・コン・スピリト
Franz Liszt: Etude d’exécution transcendante n. 10
/リスト:超絶技巧練習曲第10番 S.139-10
Sergey Rachmaninov: Etude-tableau in E flat minor op. 39/5
/ラフマニノフ:絵画的練習曲「音の絵」 変ホ短調 Op.39-5
Sergey Prokofiev: Sonata n. 3 in A minor op. 28
/プロコフィエフ:ソナタ第3番 イ短調

さて筆者がハマっているモーツァルト9番。これまで聴く機会が少ないと思っていましたが、今回は4人も選択しています。そしてリスト、ラフマニノフ、プロコフィエフ。やや粗さもありますが、エネルギッシュで切迫感のあるとても印象的なピアニストでした。

5月8日(木)20:00(日本時間 翌3:00)

Jacopo Giovannini (Italy, Year of birth: 1997)
Joseph Haydn: Allegro (Sonata in D major Hob. XVI:33)
/ハイドン:ソナタ ニ長調 Hob. XVI:33 より アレグロ
Franz Liszt: Etude d’exécution transcendante n. 9 “Ricordanza”
/リスト:超絶技巧練習曲第9番「回想」 S.139-9
Fryderyk Chopin: Etude in C sharp minor op. 10/4
/ショパン:エチュード 嬰ハ短調 Op.10-4
Isaac Albeniz: Triana
/アルベニス:「イベリア第3巻」 より 「トゥリアーナ」

ハイドンは鮮やかでしたね。そのあとも流れがありましたが、まだ筆者が慣れ切れていないヨーロッパスタイルのやや散漫な印象。

Song Hyeon Kim (Korea, Year of birth: 2002) セミファイナル進出
Ludwig van Beethoven: Allegro (Sonata n. 15 in D major op. 28)
/ベートーヴェン:ソナタ第15番 ニ長調 Op.28 より アレグロ
Fryderyk Chopin: Etude in C sharp minor op. 10/4
/ショパン:エチュード 嬰ハ短調 Op.10-4
Franz Liszt: Etude d’exécution transcendante n. 12 “Chasse-neige”
/リスト:超絶技巧練習曲第12番「雪あらし」 S.139-12
Aleksandr Skryabin: Fantaisie in B minor op. 28
/スクリャービン:幻想曲 ロ短調 Op.28

ショパンのエチュードOp.10-4が続きましたが、より硬派といったところでずいぶんとちがう印象でした。良し悪しではなくほんとに流派が違うという感じ。勉強になります。一転してスクリャービンは滑らかで色気のある演奏でした。

Roeland Vermeulen (Belgium, Year of birth: 1998)
Wolfgang Amadeus Mozart: Allegro (Sonata n. 15 in F major KV 533)
/モーツァルト:ソナタ第15番 ヘ長調 KV533より アレグロ
Franz Liszt: Etude d’exécution transcendante n. 2
/リスト:超絶技巧練習曲第2番 S.139-2
György Ligeti: Etude n. 2 “Cordes vides”
/リゲティ:エチュード第2番 「開放弦」
Fryderyk Chopin: Barcarolle in F sharp major op. 60
/ショパン:舟歌 嬰ヘ長調 Op. 60

Tom Zalmanov (Israel, Year of birth: 1999)
Wolfgang Amadeus Mozart: Allegro (Sonata n. 13 in B flat major KV 333)
/モーツァルト:ソナタ第13番 変ロ長調 KV333より アレグロ
Fryderyk Chopin: Nocturne n. 18 in E major op. 62/2
/ショパン:ノクターン第18番 ホ長調 Op.62-2
Aleksandr Skryabin: Etude in E major op. 8/5
/スクリャービン:エチュード ホ長調 Op.8-5
Fryderyk Chopin: Etude in F major op. 10/8
/ショパン:エチュード ヘ長調 Op.10-8

Jiaxin Min (China, Year of birth: 1996) セミファイナル進出
Joseph Haydn: Allegro (Sonata in E flat major Hob. XVI:52)
/ハイドン:ソナタ 変ホ長調 Hob. XVI:52 より アレグロ
Franz Liszt: Etude d’exécution transcendante n. 5 “Feux follets”
/リスト:超絶技巧練習曲第5番「鬼火」 S.139-5
Fryderyk Chopin: Etude in A minor op. 25/11
/ショパン:エチュード イ短調 「木枯らし」  Op.25-11
Dmitry Shostakovich: Prelude and Fugue in D flat major op. 87/15
/ショスタコーヴィチ:24の前奏曲とフーガ Op.87 より 第15番 変ニ長調

4日目まとめ

4日目お疲れさまでしたm(_ _)m

1か月にわたる長丁場ですが、一人あたりは20分ちょっとで、課題曲も制約が強いようで選択肢は多いのでバリエーションが楽しめました。

引き続き全体的に拮抗している印象で、だれか一人が次に進むなら他の人もいいような気がします。

今日のArthur Hinnewinkelさんは、今のところ今大会で一番印象に残っています!推しです。それからEmin Kiourktchianさんもまた聴いてみたいです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました