こんにちは。いりこです。
6月14日(土)彩の国さいたま芸術劇場にて行われた、ユリアンナ・アヴデーエワ(ピアノ)のソロ公演に行ってきました。
先週に続けてアヴデーエワ、筆者のなかで注目度が高いピアニストのコンサート!
公演に行かれた方とも、行かれてない方とも、この感動を共有できたら嬉しいです。


▼先週6.3(火)の記事はこちら(ショスタコーヴィチ「演奏曲とフーガ」抜粋&ショパン「前奏曲」全曲)
https://iriko-kombu-blog.com/6-3-2025_yuliannaavdeeva/
2010年ショパンコンクール覇者:ユリアンナ・アヴデーエワ
【公式HP】https://www.avdeevapiano.com/
2010年ショパン国際コンクール覇者。
- アルゲリッチ以来45年ぶりの女性優勝者(+ソナタ賞)
- われらがYAMAHAを演奏した初の優勝者
と、まさに我が道を行く孤高のピアニストです。
10年近く前にファイナルの協奏曲を聴いてみたときにしっくりこず、その後フォローしてなかったのですが、友人の勧めで再度聴いてみたところ、ソロ曲に彼女の神髄を感じました。今やすっかり大ファン。
音のまろやかさ、手の込んだ構成、そしてスケールの大きな語り口。
十分にロマンチックながら大げさでないというバランス感覚。
ほとんど哲学者のような深みで、王道からは外れていると思いますが、ここ最近の優勝者の中でも群を抜いた完成度で、”コンテスタント”としては異様なほど。
そんな彼女の来日公演が、しかもソロプログラムで楽しめということで、チケット買ってみました!
プログラム/チケット情報
公演情報:彩の国さいたま芸術劇場
2025年6月14日(土) 15:00開演 彩の国さいたま芸術劇場
プログラム
- ショスタコーヴィチ:24の前奏曲とフーガ Op.87
没後50年を迎えるショスタコーヴィチ、同郷のアヴデーエワが2時間半にも及ぶこの巨大作品を演奏します。
【ピアノの旧約聖書】と称されるバッハ「平均律クラヴィーア曲集」にならい、24の全ての調性を網羅した、前奏曲とフーガからなるこの曲集。
1950年、バッハの没後200年を記念して開催された第1回バッハ国際コンクールに審査員として参加したことがきっかけとされていて、バッハ国際コンクールの1次予選では「バッハの『前奏曲とフーガ』から1曲、ショスタコーヴィチの『前奏曲とフーガ』から1曲」が課題曲とされているほど、深いつながりがある2つの曲集です。
アヴデーエワはレコーディングも最近リリースし、すでに新たな決定盤と評れているのを目にします。
そして知らなかったのですが、彼女のYouTubeで#AvdeevaShostakovichProjectと題し、1曲ずつ解説してくれています。
チケット
正面席:7,000円
バルコニー席:5,000円
ショスタコーヴィチ:24の前奏曲とフーガ Op. 87
【ピアノの旧約聖書】と称賛されるバッハ「平均律クラヴィーア曲集」にならい、24の全ての調性を網羅した、前奏曲とフーガからなるこの曲集。
1950年、バッハの没後200年を記念して開催された第1回バッハ国際コンクールに審査員として参加したことがきっかけとされていて、バッハ国際コンクールの1次予選では「バッハの前奏曲とフーガから1曲、ショスタコーヴィチの前奏曲とフーガから1曲」が課題曲とされているほど、深いつながりがある2つの曲集です。
先週の公演は抜粋でしたが、今回はなんと2時間半に及ぶ全曲演奏!かなりマニアックというか本格的なプログラムですが、客席はほぼ満員。日本も捨てたもんじゃない(?)
・・・
さてアヴデーエワさん登場。前回は真っ黒なパンツスーツでかっこよかったのですが、今回は真っ白なパンツスーツ、凛としていて神々しい。。。前回も書いた大事ポイントとして、演奏姿がエレガントというところが点数高かったりします。
そして24の前奏曲とフーガが披露されたわけですが、彼女ほどの偉大な音楽性を持つピアニストが集中して取り組んでいる楽曲。すごい世界観に巻き込まれます。
まず1番の入りからね、あの人間技とは思えないすさまじい弱音。天から降ってきて、でも人間らしい心のもやもやにも寄り添ってくれる優しい音色。あの1秒で「はあ、来てよかった」と思える瞬間です。
2番、12番、15番、24番のフーガのような、容赦なくぶつかりまくる多声の処理の凄み。彼女のも魅力である丸い音色を失わないままであんなにパキっとした演奏ができるのは、単純にどうやってるんだろう。
そして個人的に最初に覚えた15番!先週アンコールで前奏曲のみ披露してくれましたが、今回はもちろんフーガも、しかも曲集通して聴くとまた違いますね。かなり異質で、あの滑稽さが逆にグロテスクさが余計に際立ちます。この曲はコンクールでもよく聴きますが、単体で取り組んでもかなり難易度高いんだろうなと感じています。彼女は技術レベルよりも音楽性が取り上げられるタイプだと思いますが、技術的な問題は軽々超えていていることを改めて感じます。
さいごに
先週の公演に引き続き、かなり満足度の高いコンサートでした。休憩なども含めて3時間と長めのコンサートでしたが、驚くほどあっという間でした。
さすがにアンコールはありませんでしたが、誰も期待していないような満足感が会場に満ちていました。
そもそも筆者なんかは2声処理するだけで頭がパンクしそうになりますが、3声・4声に及ぶ曲を3時間演奏し続けるだけで人間じゃないなと感じます、笑。
しばらくはショスタコーヴィチのマイブームが続きそうです。
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