こんにちは。いりこです。
8月9日(土)ミューザ川崎シンフォニーホール(神奈川県)にて行われた、宮田大(チェロ)×下野竜也(指揮)×日本フィルハーモニー交響楽団の公演に行ってきました。
公演に行かれた方とも、行かれてない方とも、この感動を共有できたら嬉しいです。


▲2枚目、右奥に櫓太鼓が見えるでしょうか?
▼浮世絵展が近くであっているようで、ミューザ川崎シンフォニーホール内にもいくつか出張で来ていました。ドビュッシーが影響を受けた「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」


プログラム/チケット情報
公演情報:神奈川芸術協会
2025年8月9日(土) 15:00開演 ミューザ川崎シンフォニーホール(神奈川県)
プログラム
- 小山清茂:管弦楽のための鄙歌 第2番
- サン=サーンス:チェロ協奏曲第1番 イ短調 op.33
- ドヴォルジャーク:交響曲第8番 ト長調 op.88
チケット
S席:6,000円
A席:5,000円
B席:4,000円
小山清茂:管弦楽のための鄙歌 第2番
こちらは本当にノーマークで初めて知った曲ですが、日本の「夏」「祭り」の情景が目に浮かぶおもしろい曲でした。
1978年、今日まさに公演している日本フィルの委嘱によって作曲された曲で、日本的なヨナ抜き音階による旋律がたくさん。「これぞ日本のクラシック」という懐かしさと透明感が心を打ちます。案外と日本的な旋律と弦楽器の相性がよく、木管・金管も雅楽的な柔らかな色彩を纏って温かい調和を描き出していました。
そして圧巻は打楽器群!ティンパニ、小太鼓に加え、和太鼓(櫓太鼓?)と木魚みたいなやつが4人体制で、迫力あるリズムが空間を震わせます。
日本的なメロディ・リズムが鳴り続くなか、「千と千尋の神隠し」のサントラと言われても疑わないくらい幻想的な情景を描き出します。
Spotifyにはなかったので、ぜひYouTubeで検索してみてください。
サン=サーンス:チェロ協奏曲第1番 イ短調 op.33
さて、初めて生演奏で聴くチェロ協奏曲は、サン=サーンスの第1番。単一楽章でありながら三部に構成され、20分弱というコンパクトさにもかかわらず、実に密度の高い曲でした。
まず印象的だったのは、そのシンプルながら整った編成。管弦楽の重さを感じさせず、チェロが清々しく際立つように設計されていると感じました。
第2部のメヌエットは軽やかさそのものでしたし、
最高潮の第3部では、宮田さんの超絶技巧が光ります。
華やかで速いパッセージが続きますが、単なる技巧の見せ場ではない。第一部の主題が戻ってきてそれが変奏される循環形式の妙が、この作品にしっかりとした構造を与えていて、聴き応えがありました。
そして、チェロという楽器の音色の魅力を改めて実感!
「人肌に近い」と感じるその柔らかな響きは、やはり唯一無二。チェロ協奏曲で知っているのはドヴォルジャークのものくらいですけど、もっと聴いてみたいですね。
▼ドヴォルジャークのチェロ協奏曲も収録された名盤
アンコール(宮田 大 ソロ)
- サン=サーンス:白鳥(動物の謝肉祭 より)
贅沢にもソロで、同じくサン=サーンスの名曲「白鳥」!

ドヴォルジャーク:交響曲第8番 ト長調 op.88
子供のころは「ドヴォルザーク」表記が多かった気もしていますが、最近はこの表記もよく見かけます。ピアノ曲に馴染みがないこともあって聞いてきませんでしたが、チェロ協奏曲は大好きです、なので交響曲も聴いてみたいと思っていました。
1楽章冒頭から躍動感あるリズムに推進され、2楽章の音階の伴奏も印象的、3楽章なんかはそのままスラヴ舞曲集にありそうな土俗的な3拍子、そしてファンファーレから始まり祝祭感に包まれる4楽章。
なんでしょう、構成としても結構正統派な交響曲だと思いますが、ふと口ずさみたくなる民謡の旋律や、陽気に跳ねる舞曲のリズムがあふれていて、和音の移ろいも、丘から吹き抜ける風のように自然で、時に夕暮れの切なさを帯びる、、、ドイツものとはまた違う情景が浮かんできますね。それこそボヘミアン、少しエキゾチックな感じがするのが何とも言えない魅力ですね。
アンコール(オーケストラ)
- プーランク(下野竜也 編曲):平和のためにお祈りください
指揮者の下野さんから直接ご挨拶があり、本日8月9日は長崎県「原爆の日」、それに合わせた平和へのメッセージとしてアンコールが用意されました。オリジナルは歌曲とのことです。

さいごに
今回は友人の誘いで急遽足を運ぶことになりました。3曲とも馴染みのない曲でしたが、それぞれ名曲ぞろいで大満足の公演。
特にドヴォルジャークの交響曲は聴いてみたいと思っていたのでいい機会でした。早速ヘビロテしています。