こんにちは。いりこです。
突然ですが、みなさんは不治の病に罹ったことはありますか?
私は、HIVという、現代医療では完治しないウイルスに感染しています。
私はこれまで大病・大怪我を経験せずに過ごしてきましたので、今回はいい人生経験になりました。
感染が分かってから、体調と、自分の気持ちもかなり落ち着いており、せっかくなので体験したことを書いてみたいと思います。
今回は、治療に不可欠な社会保障制度についてざっくりと書いてみます。
制度の詳細については、厚生労働省のHPや、お住まいの自治体の障害福祉関係HPに記載がありますが、とにかく複雑でぱっと見では理解が難しいと思います。
というわけでかみ砕いて説明しておりますので、ざっくり理解するのに役立てればと思います。
といっても大きくこの2つだけです。
- 身体障害者手帳
- 自立支援医療(更生医療)
身体障害者手帳
概要
身体障害者福祉法に定める身体上の障害がある者に対して、都道府県知事、指定都市市長又は中核市市長が交付する。
▼厚生労働省HP
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/shougaishatechou/index.html
▼(参考)東京都福祉保健局
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shinsho/shinshou_techou/techonituite.html
対象交付者の中に「ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能の障害」があり、HIVキャリアはこれに該当します。
後述する「自立支援医療(更生医療)」(こちらがメイン)は障害者手帳を持っていないと利用できませんので、必ず申請することになります。
なお、手帳の申請要件は複雑です。診断書も必要ですので、まずは病院の受診が必要です。
手続き
自治体により異なるかもしれませんが、
1.身体障害者診断書・意見書
2.申請する方の写真(3cm × 4cm)
3.交付申請書
が必要でした。
1.診断書 は病院で準備してくれます。6,000円ほど必要でした。
3.交付申請書 の様式は病院で準備してくれましたが、役所の窓口でも交付されるようです。
私が自分で用意したのは2.の写真のみ。たまたま証明写真を撮っていたので手間が省けました。写真用紙での準備が必要です。
自立支援医療(更生医療)
概要
1.目的
▼厚生労働省HP
自立支援医療制度は、心身の障害を除去・軽減するための医療について、医療費の自己負担額を軽減する公費負担医療制度です。
2.対象者
・更生医療:
身体障害者福祉法に基づき身体障害者手帳の交付を受けた者で、その障害を除去・軽減する手術等の治療により確実に効果が期待できる者(18歳以上)
「重度かつ継続」の範囲
○疾病、症状等から対象となる者
[更生・育成] 腎臓機能・小腸機能・免疫機能・心臓機能障害 (心臓移植後 の抗免疫療法に限る)・肝臓の機能障害 (肝臓移植後の抗免疫療法に限る) の者
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/jiritsu/gaiyo.html
▼(参考)東京都福祉保健局
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shougai/shogai/jiritsu.html
https://www.mhlw.go.jp/content/000885728.pdf
ざっくり説明すると、「身体障害者手帳」が交付されると、「自立支援医療」のうち「更生医療」という制度の対象となります。さらに、免疫機能障害は「重度かつ継続」の範囲に指定されます。これにより、負担上限月額が0~20,000円(ほとんどの方は10,000円以下)に抑えられます。
HIV治療には、この制度なしでは太刀打ちできません。それくらいのパワーを持っています。
手続き
こちらも自治体により、
・身体障害者手帳を交付後、自立支援医療の申請が可能
・身体障害者手帳の申請と同時に、自立支援医療の申請も可能
と、パターンがあると聞きました。
私の場合は後者でしたので、申請から1か月ほどで治療が開始できました。
前者の場合は、手帳が交付されないと、自立支援医療の申請ができないので、もう少し時間がかかるかもしれません。
様式は、自治体の障害福祉関係窓口にて入手できますが、
こちらも病院が準備してくれましたので、記入するだけでよかったです。
注意点
変更・更新手続き
この制度の注意点は、とにかく更新・変更の手続きを忘れないこと!!
・有効期限1年
・引っ越し
・指定病院・薬局の変更(後述します)
・健康保険の変更(転職:会社員→自営業など)
などの変更事項があれば、忘れずに手続きをする必要があります。
(私はまだ経験がないので詳しく分かりません。。。)
病院・薬局は1つのみ
この制度が使えるのは、1つの病院+1つの薬局のみですので、どこでこの制度を使うのかを申請時に1つずつ指定する必要があります。
治療ができるような大病院には門前薬局があると思いますので、そちらでいいと思います。
当該障害の治療にかかる医療費+薬代のみ
この制度では、あくまで認定された障害にかかる医療のみが、負担上限月額0~20,000円で受けられます。免疫障害以外で、風邪を引いた、歯科治療をした、などは通常の自己負担となります。
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