HIVと共に生きる

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こんにちは。いりこです。

突然ですが、みなさんは不治の病に罹ったことはありますか?

私は、HIVという、現代医療では完治しないウイルスに感染しています。

私はこれまで大病・大怪我を経験せずに過ごしてきましたので、今回はいい人生経験になりました。
感染が分かってから、体調と、自分の気持ちもかなり落ち着いており、せっかくなので体験したことを書いてみたいと思います。

HIV? AIDS(エイズ)?

まずは基本情報から。
「HIV」「AIDS」の違い、ご存じでしょうか。正式名称を見るとわかりやすいですが

HIV (Human Immunodeficiency Virus):ヒト免疫不全ウイルス

AIDS (Acquired Immuno-Deficiency Syndrome):後天性免疫不全症候群

HIVがウイルスで、それによって引き起こされるのがAIDSという病気ということです。
しろうとの私が説明はこれくらいにして、詳しく知りたい方は検索してみてください。

その中で、しろうと的に重要だと思う点をいくつかピックアップします。

▼エイズ予防情報ネット
https://api-net.jfap.or.jp/knowledge/index.html

▼HIV検査相談マップ
https://www.hivkensa.com/knowledge/whatis#:~:text=HIV%E3%81%A8%E3%81%AF%E3%80%81Human%20Immunodeficiency,%E3%81%AB%E6%84%9F%E6%9F%93%E3%81%99%E3%82%8B%E3%82%A6%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%B9%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82

「死の病」ではない

私が陽性と分かったとき、まず、保健所の方や病院の医師が繰り返し説明してくれたことは、

  • HIV感染症は「死の病」ではない
  • きちんと治療を続ければ、一般的な寿命を全うできる

ということでした。

しかも、現在私が服薬しているのは、1日1回1錠の薬だけ。
いったん体調が落ち着けば、副作用はありません。また食事と関係なく服薬することができます。治療の難易度でいえば、毎日欠かさず飲むサプリメント程度です。

約40年前は、1年以内に死ぬ病気であるという時代。
約30年前は、飲み方も飲む時間も異なる20の薬を毎日服用する時代、しかも強い副作用により生活スタイルの変更を余儀なくされる時代だったそうで、
副作用の少ない薬を1日1回1錠で済むようになったのは約10年前のことだそうです。

生まれる時代が少し違えば、こんなに正気を保っていられたか、想像すると先人たちには感謝の念に堪えません。

医療費も意外と工面できる

死ぬことはないとして、ではそのためにいくら費用がかかるのか。命の次に大きな懸念でした。
しかし、こちらもありがたいことに、自己負担はそこまで大きなものではありません。

  • 自立支援医療

HIV陽性者には、「免疫機能障害」として障害者手帳が交付されます。
そして障害者手帳を保有者は「自立支援医療(厚生医療)」という制度が受けられます。この制度の威力が半端ではありません。

抗HIV薬というのは非常に高値で、一般的な3割負担でも、月6~7万円かかるそうです。
しかし、自立支援医療により、自己負担上限が月0~2万円となります(病院での診療費+薬代)。
自己負担上限は所得により決定されますが、上限1万円以下の方が多いのではないかと思います。これで、単純に

月1万円×12か月=年間12万円

となります。

さらに、症状が落ち着くと、3か月ごとの通院で済むようになることが多いそうです。
この段階では、3か月に1回の通院で、3か月分の薬を処方してもらえるので

月1万円×4回(3か月ごと)=年間4万円

の自己負担で治療を続けることができます。

  • 障害者控除

障害者手帳を保有すると、障害者控除を受けることができます。
会社員の方は年末調整での申告も可能ですが、私は勤務先に伝えたくなかったので、確定申告しています。独身世帯ですと、ざっくり4万円近く還付されますので、かなりお財布のダメージは軽減されます。

そのほか、障害者に限定した制度ではありませんが、10万円を超えた年は医療費控除が申請できたり、障害者手帳によって割引が受けられるサービスも充実しています。

  • 医療費控除
  • 交通機関の割引(バス、電車、タクシーなど
  • 公営施設(体育館、プールなど)の利用料割引
  • 映画館、博物館、美術館、音楽イベント、レジャー施設などの割引

日常生活ではまず感染しない

HIVは、そのやっかいな特性とは裏腹に、感染力は弱く、感染経路は3つだけ。

性的感染/血液感染/母子感染

そのため、日常生活では感染しません。たとえば汗や唾液などの体液では感染しないとのことです。

また「U = U」
:「Undetectable(検出限界値未満)=Untransmittable(感染可能性がない)」

というキーワードがあり、血液中のHIV量が検出限界値未満(Undetectable)のレベルに6か月以上抑えられているHIV陽性者からは、性行為でも、他の人にHIVが感染することはありません(Untransmittable)。

ただし、血液感染や母子(母乳?)感染のリスクがゼロになるという根拠はまだないようです。

無料・匿名で早めの検査を

HIVに無関心だった私ですが、感染してから調べた知識と体験から、一生治療を続けなければいけないこと以外は、過度に恐れる病気ではないのかなと感じています。

ただし、私はAIDS発症前であったため、このとおり「のほほん」と構えていられるのではないかと思っています。HIV感染が判明した人のうち、3割はAIDS発症により判明しているそうです。

保健所では、無料・匿名で検査を受けることができます。合わせて他の性感染症の検査もできるところが多いと思います。

有料であれば、一般の医療機関でも検査ができます。仕事の都合で保健所に足を運べないという方はこちらでもいいのかもしれません。

性感染症は、危険な行為の回数とは比例しません。複数回の機会でも感染しない人もいれば、たった1回の機会で観戦する人もいるそうです。私自身もそこまで心当たりがあるわけでなく、「どうして私が」と思った当事者です。

「感染なし」という安心を手に入れるためにも、定期的な検査を心からおすすめします。

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