こんにちは。いりこです。
5月20日(土)NHKホールにて行われた、パスカル・ロジェ(ピアノ)、ファビオ・ルイージ(指揮)N響の公演に行ってきました。
公演に行かれた方とも、行かれてない方とも、感動を共有できたら嬉しいです。
いたるところに指揮者ルイージの等身大(?)パネルが笑。愛されてますね。
パスカル・ロジェ
フランス出身のピアニスト。御年72歳の大巨匠。
繊細で精緻、色彩豊かな音色で、フランス音楽の王道を走り続けるピアニストです。
ドビュッシーやラヴェル、今回演奏されるサン=サーンスなどフランス人作曲家のピアノピースを全曲録音するこだわりようです。
フランス近代音楽を聴くときは、まず彼の音源を聴けば間違いなし!
プログラム/チケット情報
2023年5月20日(土) 14:00開演 NHKホール
プログラム
- サン=サーンス:ピアノ協奏曲第5番 ヘ長調 「エジプト風」Op.103
- フランク:交響曲 ニ短調
同年代のフランス人作曲家が並ぶおフレンチプログラム。
サン=サーンスの「エジプト風」については下記でアツく語っております。
フランクの交響曲は、オケ初心者の筆者、もちろん初対面。
せっかくなので予習なしで臨みます。
フランス交響曲自体初めてですが、特徴的な循環形式が出るのかどうか。。。
チケット
S席 7,400円
A席 6,500円
B席 5,200円
C席 4,200円
D席 3,200円
E席 1,600円
サン=サーンス:ピアノ協奏曲第5番 ヘ長調「エジプト風」Op.103
サン=サーンスは19世紀に活躍したパリ生まれの作曲家。
90年近くの人生で多岐に亘る多数の曲を残し、このピアノ協奏曲という分野でも、フランスの大作曲家で初めて作った音楽家だそうです。他には2番なんかが有名。
大の旅行家でもあったサン=サーンスが、エジプトで過ごした晩年に作曲したため「エジプト風」という呼称がつきました。
優れた才能とは裏腹に(故に?)、大の皮肉屋だったようですが、
この曲からは異国情緒に対する憧憬やわくわく感がダダ洩れに思えてなりません笑。
かわいいw
第1楽章、清々しい朝か、航海のはじまりか。
爽やかで洒脱な3拍子です。2つめの主題ではエキゾティックな哀愁も漂います。
第2楽章は衝撃の幕開け。
「エジプト風」にふさわしいアラビアンな音階が突きつけられます。
中間部、ナイル川のほとりで聴いた愛の歌は極上の美しさ。さすがロジェ。。。
第3楽章は、旅行を振り返って(絵?)日記を書いてる、
少年のようなサン=サーンスが思い浮かびます。
意気揚々としたリズムで始まり、キラキラとした細かい音符が縦横無尽に駆け巡ります。
中間部では、サバンナを駆ける動物たちや巨大なゾウの大群を感じさせる、
短調で野性味あふれる描写もあり、めちゃくちゃかっこいいです。
ロジェの演奏ですが、録音では時代がやや古いせいもあってか、
柔らかいが、やや輪郭がぼんやりとした音色のイメージでした。
しかし実際に聴いてみると、重厚感のある強い音から繊細で透き通った弱音まで、
72歳とは思えないほどヴィヴィッドで迫力満点の演奏でした。
この曲、曲自体の印象が強くて気づきませんでしたが、かなり技巧的な曲だと感じました。
しかしそんな技術的な困難さは微塵も感じない見事な弾きっぷりでした。
↓曲についてはこの記事でアツく語っておりますのでよかったらぜひ!
アンコール(NHK交響楽団HPより)
- サティ:グノシエンヌ第2番
フランスの「異端児」サティがアンコールピース。
5月19日(金)の公演でもサティ:ジムノペティ1番が演奏されたようです。
とにかく音の少ない、引き算の美学。
今回3階席で聴いていたのですが、すぐそばで弾いているような通る音色でした。
ロジェの音色を堪能できました。
フランク:交響曲 ニ短調
フランクも19世紀フランスで活躍した作曲家。
ヴァイオリンソナタなんかは大好きです。この曲しか知らないんですけど。。。
ベルギー出身、ドイツ系の家系、教会でオルガニストとして活躍していたという経歴もあってか、
ドイツロマン派的な響きがありながら、垣間見える洒脱な雰囲気があります。
あとは循環形式という、同じモチーフを複数の楽章に用いて楽曲全体の統一感を高めるおもしろいことをしています。ヴァイオリンソナタはもちろん、この交響曲にも登場しました。彼の作風としてよく登場するようです。
この交響曲は「がっちり」「堅固」な交響曲です。
第1楽章、憂鬱に「レド#ファーファミラー」という動機から始まり、基本的に抑圧された雰囲気。
その中で中盤以降登場するヘ長調の旋律が印象的に、希望の光をもたらします。
この対比に涙が出そうでした。
最後は激情的に盛り上がりを見せて、突如長調に転じますが、なんとなく元気がない表情で終わります。
第2楽章は、弦楽器とハープがゆったりとした3拍子を刻み、ホルンが郷愁の旋律を歌います。
中間部では、第1楽章にみた希望の光を視界の隅に捉えるも浮上しきれないもどかしさがあります。
第3楽章は、過去を吹っ切って、あるいは受け入れて、かの「歓喜の歌」ばりの昂揚を見せます。
第1楽章で見えた希望の光のような動機は、もはや安心感を感じる存在として登場、さらに第2楽章のホルンの旋律など、これまでに出てきた素材たちが再登場し緻密に絡み合い、最後はやはり「歓喜の歌」で盛り上がりは最高潮に。
フランクの真骨頂のような壮大な交響曲でした。
さいごに
今日は協奏曲と交響曲が2曲と、緊張感があり濃縮された時間でした。
大定番曲というわけではないフランスの名曲を生で聴けたこともいい体験でした。
長々と書いてしまいましたが、お読みいただきありがとうございました。
ところで、みなさんは、どうやってクラシックのコンサート情報を集めてらっしゃいますか?
自分で調べてみて、情報集めるのに一苦労でした。お知恵があればお教えいただきたいです!
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