【2025.11.7】ジョナタン・フルネル 公演感想 @宗次ホール(愛知)

コンサート日記
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こんにちは。いりこです。
11月9日(日)宗次ホール(愛知県)にて行われた、ジョナタン・フルネル(ピアノ)のソロ公演に行ってきました!

今シーズン、彼のソロリサイタルはこの公演のみ!行かれた方とも、行かれてない方とも、この感動を共有できたら嬉しいです。

▲もうクリスマス、こじんまりとしてピアニストとの距離が近い会場

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ジョナタン・フルネル(ピアノ)

【公式HP】https://jonathanfournel.com/

1993年フランス生まれ。ヴィオッティ国際(2013)、スコットランド国際(2014)、そしてなんといっても2021年エリザベート王妃国際音楽コンクールで優勝し、聴衆賞など特別賞を受賞しています。エリザベート王妃は、ショパン国際、チャイコフスキー国際と並んで3大コンクールと称されるほど権威のある大会。実際に筆者も2025年大会を聴いてみましたが、かなりお気に入りのピアニストに出会えたので、この大会は信用しています笑。

ジョナタンはその優勝者ということで、今回ソロリサイタルを聴いてみることにしました。

プログラム/チケット情報

公演情報:宗次ホール

2025年11月9日(日) 14:00開演 宗次ホール(愛知県)

プログラム

  • ベートーヴェン:ピアノソナタ第31番 変イ長調 Op.110
  • ショパン:アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ 変ホ長調 Op.22
  • メトネル:2つのおとぎ話 Op.20
  • シューベルト:幻想曲「さすらい人」ハ長調 D760 Op.15

今シーズン、ソロリサイタルはこの公演のみという貴重な機会!

ベートーヴェン最晩年のソナタから第31番、ショパンコンクールの公演興奮冷めやらないアンダンテスピアナートと華麗なる大ポロネーズ、近代ロシアの作曲家メトネルの代表的ジャンルのおとぎ話、そしてシューベルトの大作さすらい人幻想曲

親しみやすく、筆者も大好きな曲ばかり並んだ楽しみなプログラムです。

チケット

正面席:5,000円
(学生席:3,000円)

ベートーヴェン:ピアノソナタ第31番 変イ長調 Op.110

小さめのホールは初めてでしたが、ピアニストがよく見えて親近感があっていい感じ。

結構速めのテンポで始まりましたが、すぐあとの弱音のアルペジオがなんと美しい。この速さで処理できているレベルの高さも感じます。そして結構強音も鳴るのでほしいところでガツンときて心地いい。なんといっても終楽章フーガ。音色も美しく多声の処理も鮮やかでした。全体としてはオーソドックスな感じ。

ショパン:アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ 変ホ長調 Op.22

拍手する隙もなく、次のショパンへ。

軽やかで滑らかで、派手な技巧もはまったいい演奏ですが、どうも難所で弾き走る傾向があり、コーダはちょっと散漫。せっかくいい音楽が内にあるのにもったいないなという印象。

メトネル:2つのおとぎ話 Op.20

休憩をはさんでメトネル。あまりなじみのない作曲家なのでラッキーです。

メトネルは生涯で38曲もの「おとぎ話」を書いており、中でもこのOp.20は有名な作品とのこと。悲哀と激情に飲み込まれる1番もすてきでしたが、印象的だったは2曲目、「鐘」という表題が付けられていて、執拗に繰り返される5音の下降音型が不気味。近代ロシアっぽいシニカルで面白い曲でした。

シューベルト:幻想曲「さすらい人」ハ長調 D760 Op.15

メトネルが終わって拍手が入ってしまいましたが、本人としては想定外だったみたいで、集中しなおすのに時間を使っていました笑。

基本的に落ち着いたテンポでよかった、典雅な印象があります。和音のつかみも迫力がありますし、弱音のコントロールも行き届いていて、その幅広い引き出しの中から音の積み上げ方にもセンスがあり、やはり難関コンクールを制するだけの力があるピアニストだと思います。

ただショパンに続き、1楽章終盤のオクターブの応酬、曲後半の下降するアルペジオの連続など、難所でスピードアップするのがどうしても幼稚に聞こえ、せっかくの音楽性がもったいない気がします。

アンコール

  • J. S. バッハ/ケンプ編:主よ、人の望みの喜びよ
  • J. S. バッハ/ジロティ編: 前奏曲 ロ短調

さすらい人の後、お疲れなのか、拍手の件もあってご機嫌斜めなのかもと思いましが、気前よく2曲演奏してくれました!

2曲ともバッハの編曲という素敵なアンコールでしたが、やはり「主よ、人の望みの喜びよ」では、ベートーヴェンでみせた多声の処理が美しい。最初に歌の旋律が入ってきたときは音が大きくて浮いていましたが、曲の盛り上がりとともにどんどん融合して絡み合っていき、恐れ入りましたm(_ _)mという感じでした。この辺りが実力者だなと思います。

そしてアルペジオで即興的な前奏曲も美しい。こういう曲を聴かせられるのもいいピアニストの証ですね!

フルネルのおすすめ音源

これを機に彼の演奏も聴いてみたいと思うので、まだ聴いていないのですが、、、

まずはエリザベート王妃のコンクール音源!


最新譜は、「ショパンのソナタ3番」+「シマノフスキの変奏曲2番」
ポーランドの2大巨匠が取り上げるシマノフスキは、曲も聴きやすいのでぜひ聴きたい。
2023/2/27: ブレハッチ – シマノフスキ:12の変奏曲 Op.3
2023/11/22: ツィメルマン – シマノフスキ:ポーランド民謡の主題による変奏曲 Op.10



さいごに

改めていいピアニストと出会いましたし、それに伴いエリザベート王妃国際の株もまた上がりました。聴きやすいプログラムにメトネルの新しい曲を聴く機会となり、総じていい体験でした。

フルネルは2026年4月にも来日予定!しかも重量級ブラームスを一挙2曲演奏という貴重な機会になりますので、ぜひ足を運んでみてください!

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