こんにちは。いりこです。
いよいよ!2025年10月3日、世界が注目する第19回ショパン国際ピアノコンクールがワルシャワ・ポーランドで開幕します。10月2日には、過去の入賞者による超豪華なオープニングコンサートもあります。
筆者が初めてコンクールに興味をもった記念すべきコンクールで心待ちにしていました。
5年に1度のこのコンクールは「ショパン作品のみ」で競われる異色なコンクールながら、伝説的なピアニストを輩出し続けている世界最高峰の舞台。クラシック音楽ファンはもちろん、普段あまりクラシックを聴かない人にとっても、無料配信で世界の若き才能をリアルタイムで楽しめるチャンスです。
この記事では、最新の日程(日本時間対応)・課題曲の変更点・参加者情報・配信の見方・注目のポイントを整理しました。
コンクール概要(スケジュール&視聴方法)
1.ショパンコンクール基本情報
このコンクールの最大の特徴は、演奏曲がすべてショパン作品に限定されているという点です。バッハやベートーヴェン、リストにラフマニノフといった、他の国際コンクールでよく演奏されるレパートリーは一切使えません。そのため、コンクールを目指すピアニストたちは、他のコンクールをある意味「捨てる」覚悟で準備に臨むことになります。
2.大会日程(本大会)、視聴方法
期間は10/2(木)〜10/23(木)、ショパンの命日である10月17日を挟み、20日間に及ぶ長丁場です。(コンクールは10/3(金)~20(月))
予備予選(160名):2025年4月23日(水)~ 5月4日(日)- オープニングコンサート:2025年10月2日(木)
- 第1ラウンド(85名):2025年10月3日(金)~ 7日(火)
- 第2ラウンド(40名):2025年10月9日(木)~ 12日(日)
- 第3ラウンド(20名):2025年10月14日(火)~ 16日(木)
- ショパン没後176年目の命日:10月17日(金)
- ファイナル(10名):2025年10月18日(土)~ 20日(月)
- 入賞者コンサート:2025年10月21日(火)~ 23日(木)
視聴は公式YouTubeでライブ配信が行われるはずです(前回はそうでした)。
現地に行こうとすると10時間以上のフライトですし、コンクール会場のチケットもなかなか高いので、世界最高のコンクールが無料で視聴できるのはありがたい。
コンクール大枠の背景や情報は<2025大会まとめ>ページを参照してください。当日の出演順・演奏曲・配信リンクは、各日の個別記事で随時更新します!
2025年大会の注目ポイント
課題曲の変更:ファイナルで「幻想ポロネーズ」が必須!
ショパンコンクールは、開催ごとに課題曲を変化させ、歴史とともに進化を続けるコンクールでもあります。その歴史のなかでも今大会はピアノ好きを驚愕させた大きな変更が行われています。
- ファイナル:なんといっても最大のトピックは、ファイナルでソロ曲である「幻想ポロネーズ Op.61」が追加されたことでしょう。通常コンクールのファイナルでは、ピアノ+オーケストラで演奏される「ピアノ協奏曲」が課されますし、これまでのショパンコンクールでもそうでした。
ショパン研究所所長によると、若き日の作品である協奏曲(Op. 11/21)と、晩年に書かれた名品(Op.61)を同時に課すことで、出場者にショパンのあらゆる資質を把握してほしいというコンセプトとのこと、また協奏曲になれていないピアニストに対する配慮もあるとのことです。 - 他にも、1次ラウンドではエチュードの代わりにワルツが必須になり、2次ラウンドでは前奏曲が必須になり、それに伴い3次ラウンドではソナタの演奏が必須になると、全面的に変更されています・詳しくは<規定・課題曲まとめ>で解説しています。
コンクールを支えるピアノメーカー:ベヒシュタインが半世紀ぶりにカムバック
公式選定ピアノにドイツの名器“C. Bechstein”が50年振りに復帰!
ベヒシュタイン公式サイトでは、
「唯一無二の響き;ベヒシュタインは、他とは異なる独特な響きが傑出しています。みずみずしい透明感と、歌うような雰囲気、珠玉の音色、色彩の豊かさは、他のどのピアノも真似ることは出来ません。この比類ない特性に加え、ベヒシュタインの音はダイナミックな力強さも併せ持っています。」
と紹介されています。日本でも見る機会が少ないベヒシュタインの音色、そしてピアニストの選択にも注目です。
これで今大会のラインナップは Steinway/Yamaha/Shigeru Kawai/Fazioli/C. Bechsteinとなっています。日本から2社も提供しているのは誇らしいですね!。従来はスタインウェイが2台用意されていましたが、今大会は各メーカー1台ずつとなります。
出場者の顔ぶれ・注目ピアニスト
本大会には84名/20か国が出場予定。東アジア勢が厚く、日本も13名の陣容。
注目ピアニストは<参加者まとめ>でご紹介しています。
初心者OK!コンクールを楽しむコツ
ピアニストによる「曲の違い」を楽しむ
ショパンコンクールでは、演奏される曲のバラエティが少なめ。だからこそ、複数のピアニストが同じ曲を演奏する機会が多くなり、演奏者ごとの解釈を聞き比べやすいです。
ワルツのテンポ運び、マズルカの“はね”やルバート、バラード/スケルツォ/ソナタのドラマ性など、聴き比べが最大の醍醐味だと思います。
推しピアニストを見つけて応援
第1ラウンドでは80名参加しますが、すでにビデオ審査・予備予選を通過して世界最高峰のコンクールに来ているピアニストたちです。レベルの高さはすでにお墨付き。
その中から「この人の音楽好きだな」と感じるピアニストがいたら、その人を中心にコンクールを追いかけることで、コンクール全体がより楽しめると思います。そのピアニストが上位入賞なんてした日には、こちらまでうれしくなりますよ!
中にはコンクールを通じ、ラウンドが進むにつれて調子が出てくるピアニストもいます(緊張しないピアニストの方が少ないでしょう)。一人のピアニストの成長に立ち会えるのもコンクールの醍醐味です。
筆者の推しピアニストや日本からの出場者(13名)などの出場者の顔ぶれは<参加者まとめ>からチェックしてみてください!
上級編:ピアノ選択に注目、贅沢5社聴き比べ!
圧倒的な地位を確立するスタインウェイ、近年活躍目覚ましく、前回覇者ブルース・リウも選択したイタリアの名器ファツィオリ、われらがニッポンから長く提供されているヤマハとカワイ、そして今回半世紀ぶりにカムバックしたドイツの老舗ベヒシュタイン。
5台もピアノがあるコンサート会場なんて、世界中探してもそうそうないと思います笑!世界最高のコンクールだからこそ為せる業です、ありがたく便乗し、ピアノの贅沢聴き比べを楽しみましょう!
日本での楽しみ方(終演後の予定&チェックリスト)
- アーカイブ視聴:見逃した回は公式YouTubeの録画で。これがありがたい!お気に入り演奏はブックマークして繰り返し聴くのもアリ。今のうちにチャンネル登録よろしくね。
- 入賞者ガラ/優勝者リサイタル:日本ツアーも発表されています。情報は<おすすめ・行きたいコンサートまとめ>でご確認ください。
- 過去大会で復習:どの回を見返しても神回なのがショパンコンクール。過去の大会も見ごたえ満載なので、この機会に一緒に振り返ってみましょう!
2010年まとめ(優勝:アヴデーエワ)
2015年まとめ(優勝:チョ・ソンジン)
2021年まとめ(優勝:ブルース・リウ)
関連リンク(サイト内)
- 【2025】第19回ショパン国際ピアノコンクール まとめ
- 【新情報まとめ】第19回(2025年)ショパン国際コンクール
- 【課題曲に大幅変更!】第19回(2025年)ショパン国際コンクール募集要項発表
- 【日本勢24名!】第19回(2025年)ショパン国際コンクール 記者会見&予備予選出場者発表!
- 【日本勢13名!】第19回(2025年)ショパン国際コンクール 本大会出場者85名が決定
- 2010年ショパンコンクールに耽る~アヴデーエワ/ゲニューシャス/トリフォノフ/デュモン~
- 2015年ショパンコンクールを振り返る~チョ・ソンジン/アムラン/ケイト・リウ/エリック・ルー/トニー・ヤン/シシュキン~
- 2021年ショパンコンクールを振り返る~ブルース・リウ/反田恭平/ガルシア・ガルシア/小林愛実/クシュリク/アルメリーニ/ラオ・ハオ~
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