【日本勢13名!】第19回(2025年)ショパン国際コンクール 本大会出場者85名が決定

ショパン国際ピアノコンクール
https://nifc.pl/en/home/aktualnosci/competition/134
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こんにちは。いりこです。

世界で最も権威のあるコンクールの一つ、ショパン国際ピアノコンクール。コロナで1年延期になった2021年大会からはや4年、2025年10月の本選開催迫ってまいりました!

4月23日から5月4日、12日間にわたって予備予選が行われました。
そして5月6日、ショパン博物館で記者会見が行われ、10月に行われる本大会へ進出する85名(予備予選から通過した66名 +予備予選免除の19名)のピアニストが発表されました。

日本からは京増修史・中川優芽花・中島結里愛・西本裕矢・小野田有紗・島田隼・進藤実優・東海林茉奈・山縣美季・山﨑亮汰が予選を通過、そして予備予選免除の権利を持っていた小林海都・桑原志織・牛田智大の参加が発表されました。

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【新情報まとめ】第19回(2025年)ショパン国際コンクール

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【2025】第19回ショパン国際ピアノコンクール まとめ

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ショパン国際コンクールとは

知名度も権威も世界一と言っていい超名門ピアノコンクール
大作曲家ショパンの名を冠し、祖国ポーランドが国を挙げて開催しているコンクールです。

演奏されるのはショパンの曲のみ!もちろんピアノ部門のみ!という独特なコンクールでもあります。5年に1度と開催間隔もかなり長く、歴史も長いです。

2020年はコロナで延期、満を持して開催された2021年大会は、反田小林が入賞して話題になりました。優勝者のブルース・リウガジェヴガルシアなど、タレント揃いで見ごたえのある大会でした。

  • 概要
    開催地:ワルシャワ(ポーランド)
    開催間隔:5年に1度(第18回:2021年10月(2020年から延期)、次回:2025年)
    歴史:第1回1927年

  • 第19回ショパン国際ピアノコンクール(2025)日程
    予備予選 4/23(水)〜5/4(日)
    開会コンサート 10/2(木)
    第1次予選 10/3(金)〜10/7(火)
    第2次予選 10/9(木)〜10/12(日)
    第3次予選 10/14(火)〜10/16(木)
    本選 10/18(土)〜10/20(月)

  • 入賞者(2021年 第18回)
    第1位:ブルース・リウ(24歳、カナダ)
    第2位:アレクサンダー・ガジェヴ(26歳、イタリア・スロベニア)
        反田 恭平(27歳、日本)
    第3位:マルティン・ガルシア・ガルシア(24歳、スペイン)
    第4位:小林 愛実(26歳、日本)
        ヤクブ・クシュリック(24歳、ポーランド)
    第5位:レオノーラ・アルメリーニ(29歳、イタリア)
    第6位:J・J・ジュン・リ・ブイ(17歳、カナダ)

▼2021年覇者ブルース・リウの3次予選から

ちなみに過去の優勝者・入賞者は、クラシック界をけん引する錚々たるメンツ。名前を眺めるだけで鳥肌が立ちます!(笑)

  • 主な優勝者・入賞者
    優勝者:マウリツィオ・ポリーニ(1960)、マルタ・アルゲリッチ(1965)、ギャリック・オールソン(1970)、クリスティアン・ツィメルマン(1975)、ダン・タイ・ソン(1980)、スタニスラフ・ブーニン(1985)、ユンディ・リ(2000)、ラファウ・ブレハッチ(2005)、ユリアンナ・アヴデーエワ(2010)、チョ・ソンジン(2015)

    入賞者:ウラディミール・アシュケナージ(1955年第2位)、アルトゥール・モレイラ・リマ(1965年第2位)、内田 光子(1970年第2位)、横山 幸雄(1990年第3位)、ダニール・トリフォノフ(2010年第3位)

日本からは10名+3名が本選に進出!

前回の記事で注目していた、中川優芽花(2021年クララ・ハスキル国際ピアノコンクール優勝)
山﨑亮汰2023年ブゾーニ国際ピアノコンクール第3位)など主要コンクールの覇者・入賞者から、前回大会に引き続き挑戦する進藤実優、京増修史さんらが続々と進出。

さらに注目の牛田智大(2018年浜松国際ピアノコンクール第2位、2024年リーズ国際聴衆賞)をはじめ、小林海都(2021年リーズ国際ピアノコンクール第2位、2024年浜松国際第3位)、桑原志織(2021年ルービンシュタイン国際ピアノコンクール第2位/2019年ブゾーニ国際ピアノコンクール第2位)が本選に出場することが発表されました。

予備予選免除組
Kaito Kobayashi 小林海都
Shiori Kuwahara 桑原志織
Tomoharu Ushida 牛田智大

予備予選通過組
Shushi Kyomasu 京増修史(2024年浜松
Yumeka Nakagawa 中川優芽花(2021年クララ・ハスキル優勝)
Yulia Nakashima 中島結里愛
Yuya Nishimoto 西本裕矢
Arisa Onoda 小野田有紗(2024年モントリオール2024年浜松
Jun Shimada 島田隼
Miyu Shindo 進藤実優(2024年ゲザ・アンダ
Mana Shoji 東海林茉奈
Miki Yamagata 山縣美季
Ryota Yamazaki 山﨑亮汰(2023年ブゾーニ国際3位

2024年浜松国際ピアノコンクールで優勝した鈴木 愛美さんは参加せず。彼女のショパンも聴いてみたかったですけどね。

注目度が高そうだった亀井聖矢(2022年ロン=ティボー国際音楽コンクール優勝)は残念ながら進出ならず。

海外の注目コンテスタント

こちらも前回の記事で注目していた下記ピアニストが続々出場!!!

ラオ・ハオ(Hao Rao、中国)2021年ショパン国際ピアノコンクールファイナリスト
ガブリエレ・ストラータ(Gabriele Strata、イタリア)2024年モントリオール国際音楽コンクール第2位
カイミン・チャン(Kai-Min Chang、台湾)2024年リーズ国際ピアノコンクール第4位
エリック・グオ(Eric Guo、カナダ)2023年第2回ショパン国際ピリオド楽器コンクール優勝

なんといっても前回大会17歳でファイナリストとなったラオ・ハオ(Hao Rao、中国)!入賞はなりませんでしたが、若さがいい形で放出され、音使いも印象的でした。そして現在もまだまだ21歳!!直近3月のロン=ティボー国際で久々に演奏を聴きましたが、若くエネルギーに溢れながら、フレーズの1つ1つにニュアンスを持たせていくような演奏でした。楽しみ。

ガブリエレ・ストラータさんは、(後述しますが)アイジク=ズルコが優勝、ラティノフが3位となった2024年モントリオール国際で2位に輝いたピアニスト。個人的にはこの大会の上位3名は特にレベルが高かったと思います。ストラータは甘く温かい、成熟した演奏でした。

牛田智大が聴衆賞を獲得し話題となった2024年リーズ国際で第4位に輝いたカイミン・チャン。この大会はジェンダーなんちゃらで(真偽は分からずとも)ノイズが入りましたが、もっと上位でもおかしくなかったです。

他にも、ヤン・ヴィドラシュ(Jan Widlarz、ポーランド)は2024年浜松国際で聴きましたが、もっと演奏が聴きたいと思っていました。

予備予選免除の主なピアニスト

下記の指定されたコンクールでの上位入賞者には、「ビデオ審査+予備審査免除」の権利が付与されます。そして開催年の指定が(ほぼ)なくなったことで対象者が拡大し、計19名の実力派の参加が発表されました。※詳細はこちらのページにまとめています。

ということで、当ブログで本選出場を期待していたピアニストはこちら!!

アンソニー・ラティノフ(Anthony Ratinov、アメリカ)
2023年ブゾーニ国際、2025年の全米ショパン・ピアノコンクール in マイアミで2位を獲得、また2024年モントリオール国際でも第3位と安定して好成績を残しています。特に当ブログで初めて鑑賞したブゾーニ国際でファンになりました。

トロントでショパンを中心としたコンサートにもお邪魔したのですが、その時にショパンへの想いを語っており、さらに出場権的には必要のない全米ショパンコンクールにも出場しており、大会に賭ける想いが伝わってきます。
【2024.11.19】アンソニー・ラティノフ(ピアノ)トロントデビューコンサートに行ってきました♪ ~CHOPIN & HIS FANS~

ヨナス・アウミラー(Jonas AUMILLER、ドイツ)
2024年浜松国際で第2位。ファイナルの協奏曲で少しこけちゃったのかなあという印象でしたが、それまでは優勝候補だと感じていたピアニストです。
威厳とか神秘性を持った柔らかい輝き、重層的な表現力で構造美のようなものを兼ね備えていた印象です。

ほかには、エリック・ルー(Eric Lu、アメリカ:2018年リーズ国際ピアノコンクール優勝)
2015年のショパン国際第4位という実績をもつピアニストが、3大会ぶりに参加!

それからイ・ヒョク(Hyuk Lee、韓国:2016年パデレフスキ国際ピアノコンクール優勝)、イ・ヒョ(Hyo Lee、韓国)の恐るべき兄弟。
お兄さんのヒョクさんは、前回大会ファイナリスト、2022年ロン=ティボーで亀井聖矢と同率優勝。弟さんのHyoさんは予備予選からの通過ですが、直近3月のロン=ティボー国際で第3位に輝いています。

コンサートも盛況のケヴィン・チェン(Kevin Chen、カナダ:2023年ルービンシュタイン国際コンクール優勝)。2022年ジュネーヴ国際をはじめ、毎年優勝をかっさらっている2005年生まれです。

フィリップ・リノフ(Philipp Lynov、中立)は2023年ブゾーニ国際2024年リーズ国際と演奏を聴いて、もっと聴いてみたいと思ったピアニストの一人です。

また先述のとおり、牛田智大(2018年浜松国際第2位、2024年リーズ国際聴衆賞)をはじめ、小林海都(2021年リーズ国際第2位、2024年浜松国際第3位)、桑原志織(2021年ルービンシュタイン国際ピアノコンクール第2位/2019年ブゾーニ国際ピアノコンクール第2位)が本選に出場することが発表されました。

筆者イチオシ、2024年リーズ国際で優勝、その4か月前にはモントリオール国際していたジェイデン・アイジク=ズルコ(イズィク=ズュルコ)さんは参加せず、、、

2024年浜松国際ピアノコンクールで優勝した鈴木 愛美さんも不参加。

記者会見のようす

広報担当のアレクサンデル・ラスコフスキさん、英語もステキですが、日本語の発音もきれいでしたね。アジア人の名前も読み慣れている感じがして、知性を感じます。

■中国勢が最多、次点でポーランドと日本が並ぶ

本大会へ出場した20か国85名のうち、中国からの参加者が29名と最多、次点で開催国ポーランドと日本がそれぞれ13名ずつで続いた。

■ 「ショパンを感じ、愛する」──審査委員長パレチニの哲学

審査委員長を務めたピョトル・パレチニ氏は「我々が求めているのは、単にピアニストというだけでなく、ショパンを感じ、ショパンを愛する真のアーティストであり、その上で創造的な芸術的個性を備えた人」と述べ、音楽家としての姿勢や感受性に重きを置いていたことが明かされた。※記者会見当日は教え子の関係で欠席

■ 「まるで本選のようだった」──主催者が語る予備予選の水準

予備予選とは思えないほど高水準だった――こう語ったのは、主催者であるショパン研究所の所長アルトゥル・シュクレネル氏。今回の予備予選について、「まるで本大会の第1ステージのようだった」とコメントし、審査員団が予備予選参加162名中24名もの演奏に対し「平均20点超」の評価を与えたことを明かした(審査員各自25点満点換算の平均点とみられる)。

シュクレネル所長は「20点超という評価は審査員にとって心理的な障壁で、事実上その演奏者が“本選出場確実”であることを示す。20点を超えたら我々は既にそれをマスターの域と見なしている」と審査上の”秘密”を明かした。それほど多くの参加者が極めて高水準であったため、誰を本大会に通すかの判断は「0.01ポイント差」といった僅差で決まるケースもあったとされ、ポーランドの主要メディアでも「24人の“確実合格”者」と見出し付きで報じられ、予備予選の競争が異例に熾烈であったことが強調されている。

■ 最も多く演奏されたのは《スケルツォ第4番》

記者会見では、予備予選で最も多く演奏された課題曲についても触れられた。集計の結果、《スケルツォ第4番 ホ長調》が最多だったとアナウンスされた。この作品は技巧的にも音楽的にも非常に難易度が高く、同時に演奏者の個性を打ち出しやすいことから、多くの参加者が選曲したものと思われる。

■ 10年ぶりにこの舞台へ──過去入賞者たちの再挑戦

今回の出場者の中には、過去のショパンコンクールに出場・入賞した経験を持つピアニストも含まれている。特に注目されるのは、2015年大会で第4位に入賞したアメリカのエリック・ルーの再挑戦だ。既に世界的なキャリアを築いている彼が、再びこの舞台に戻ってくるという事実に、音楽界からは大きな注目が集まっている。再挑戦には当然リスクも伴うが、それ以上に「もう一度ショパンを問い直したい」という芸術的な動機が透けて見える。こうした再挑戦組と初出場の若手との対比は、本大会の見どころの一つとなりそうだ。

■日本、南米でのガラコンサート

伝統的に日本での入賞者ガラコンサートは、一連のコンサートの中でも重要である。12月にNHK交響楽団と、2026年1月にはワルシャワフィルとの東京公演が予定されているほか、複数の入賞者コンサートが開催される見込みである。ブラジルやアルゼンチンなどの南米でもコンサートが開催される可能性がある。

また入賞者はベルリンフィル、ウィーンフィル、コンセルトヘボウといった最高峰のオーケストラとの共演も予定されている。

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