【2025.5.12】エリザベート王妃国際音楽コンクール ピアノ2025 セミファイナル1日目

エリザベート王妃国際音楽コンクール
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こんにちは。いりこです。

ショパンコンクール予備予選の盛り上がりも冷めやらぬ中、5月5日からベルギー・ブリュッセルでエリザベート王妃国際音楽コンクールが開催されます。

2025年は大コンクールイヤー!
こちらの記事でまとめた15のコンクールのうち7つが開催されます。そして10月には、つい先日予備予選が行われた最高峰ショパン国際コンクールの本大会も控えます。

バッハ国際ロン=ティボー国際に続いて、早くも3つ目のコンクールです。

記事執筆が出遅れておりますが、5月後半からはヴァン・クライバーンも迫っているのでね・・・頑張って追いつくぞ。

60名から24名にまで絞れらたセミファイナル、協奏曲+ソロ(40分、未出版の課題曲含む)という引き続きタフなラウンドです。

1日目は吉見友貴太田糸音Davide RanaldiRobert Bily(全員協奏曲)が登場!

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エリザベート王妃国際音楽コンクール 概要

【公式HP】(フランス語・英語)https://queenelisabethcompetition.be/en/
【公式YouTube】https://youtube.com/@queenelisabethcompetition
※ライブ配信・アーカイブは公式HPのみ!

ショパン国際、チャイコフスキー国際と並んで世界三大ピアノコンクールと称されているコンクール。

三大コンクールの中で最も歴史が古く、また他2つと異なり特定の作曲家を冠していないのが特徴で、比較的公平だとみなされるようです。

ピアノのほかに、ヴァイオリン・声楽・チェロ(以前は作曲)部門があり、各部門順番で毎年開催されています。

優勝者には第1回ギレリスをはじめ、アシュケナージ、エル=バシャ、入賞者にはベルマン、ペトロフ、内田光子、カツァリスとなかなか豪華なお名前が並んでいます。前回2021年には務川 慧悟(第3位)/阪田 知樹(第4位)が入賞して話題になりました。

  • 概要
    開催地:ブリュッセル(ベルギー)
    開催間隔:各部門4年に1度(前回:2021年5月(2020年から延期)、次回:2025年)
    歴史:ピアノ部門第1回1938年
  • 主な優勝者・入賞者
    優勝者:エミール・ギレリス(1938)、ウラディミール・アシュケナージ(1956)、アブデル・ラーマン・エル=バシャ(1978)、ジョナタン・フルネル(2021)

    入賞者:ラザール・ベルマン(1956年第5位)、ニコライ・ペトロフ(1964年第2位)、内田 光子(1968年第10位)、シプリアン・カツァリス(1972年第9位)、務川 慧悟(2021年第3位)、阪田 知樹(2021年第4位)

スケジュール

第1次予選(60名):2025年5月5日(月)~ 5月10日(土)

セミファイナル(24名):2025年5月12日(月)~ 5月17日(土)
5月12日(月)15:00(日本時間22:00)、20:00(日本時間 翌3:00)
5月13日(火)15:00(日本時間22:00)、20:00(日本時間 翌3:00)
5月14日(水)15:00(日本時間22:00)、20:00(日本時間 翌3:00)
5月15日(木)15:00(日本時間22:00)、20:00(日本時間 翌3:00)
5月16日(金)15:00(日本時間22:00)、20:00(日本時間 翌3:00)
5月17日(土)15:00(日本時間22:00)、20:00(日本時間 翌3:00)

ファイナル(12名):2025年5月26日(月)~ 5月31日(土)

とにかく長丁場!セミファイナル・ファイナルの両方で未出版の課題曲が差し込まれるなど、質・量ともにタフなたたかいとなります。

プログラム

セミファイナル(24名)

演奏時間:リサイタル約40分、協奏曲約30分

各セッションは2部構成で、4名のファイナリストが登壇する。最初の2名はモーツァルトの協奏曲を、あとの2名がリサイタルを演奏する。
候補者は、リサイタルと協奏曲を異なる日に演奏する。

Recital/リサイタル

  • Works of the candidate’s choice/自由選択の作品
  • An unpublished work (lasting about 5 minutes), Two Studies for Piano, written especially for this year’s edition by Ana Sokolovic
    /「Two Studies for Piano」(本大会のために作曲されたアナ・ソコロヴィッチ作曲の未出版の課題曲、約5分)

Two different and coherent recital programmes of maximum 30 minutes of music each, containing one or several works of choice.
/2種類の一貫性あるリサイタルプログラム(各30分以内)、それぞれに1曲以上の自由選択作品を含める。

The jury will choose one of two recital programmes proposed by the candidate, each including
/審査員は、候補者が提出した2つのプログラムのうち1つを選択する。

This work will be communicated to the candidates after the definitive acceptance of their application. This work may not be performed in public in advance of the competition.
/課題曲は、応募が正式に受理された後に候補者に提供される。コンクール前に公の場で演奏することはできない。

Concerto/協奏曲
以下のモーツァルトの協奏曲から1曲。

K.271(第9番 変ホ長調)
K.450(第15番 変ロ長調)
K.453(第17番 ト長調)
K.456(第18番 変ロ長調)
K.595(第27番 変ロ長調)

They will be accompanied by the Orchestre Royal de Chambre de Wallonie, conducted by Vahan Mardirossian.
ヴァハン・マルディロシアン指揮によるワロニー王立室内管弦楽団との共演で演奏する。

Candidates may play their own cadenzas.
/候補者は自作のカデンツァを演奏してもよい。

5月12日(月)15:00(日本時間22:00)

Davide Ranaldi (Italy, Year of birth: 2000) ※予選 [5.5]
Wolfgang Amadeus Mozart: Concerto n. 17 in G major KV 453
/モーツァルト:ピアノ協奏曲第17番 ト長調 KV453

この後の人の演奏も聴いたあとに書いていますが、この曲すごくいいですね。モーツァルトのピアノ協奏曲は曲数が多くて後回しにしていましたが、ト長調でパーンと音が弾けるような伸びやか、なんといっても2楽章のエモさ。。しかも古典派の時代にこんなに心にしみる旋律を書いてのけるモーツァルトの良さを改めて感じています。最初の演奏ということもあってかこじんまり聞こえたかもしれません。

Robert Bily (Czech Republic, Year of birth: 1997) ※予選 [5.5]
Wolfgang Amadeus Mozart: Concerto n. 18 in B flat major KV 456
/モーツァルト:ピアノ協奏曲第18番 変ロ長調 KV456

変ロ長調って、なんかいいですよね。この人の色っぽい音色も相まってなんとも瑞々しい演奏で、今回の演奏は安心して聴くことができました。

Song Hyeon Kim (Korea, Year of birth: 2002) ※予選 [5.8]
Béla Bartók: Szabadban (Out of Doors) BB 89
/バルトーク:戸外にて BB.89
Ana Sokolović: Two Studies for Piano
/ソコロヴィッチ:ピアノのための2つの練習曲
Franz Liszt: Réminiscences de Norma
/リスト:ノルマの回想

委嘱課題曲の実質世界プレミアだったわけですね。彼はそれをバルトークからのつながりでプログラムの真ん中に持ってきました。後の人の演奏も聴いてから書いていますが、やっぱり真ん中に持ってくる人は多くないですし、とてもアグレッシブで印象的。最後はリストは一生超絶技巧を披露していて、見事でした笑。リストのパラフレーズは聴きやすく盛り上がりますね。

Jiaxin Min (China, Year of birth: 1996) ※予選 [5.8]
Ana Sokolović: Two Studies for Piano
/ソコロヴィッチ:ピアノのための2つの練習曲
Ferruccio Busoni: Sonatina seconda K 268
/ブゾーニ:ソナチネ第2番 K.268
Ludwig van Beethoven: Sonata n. 28 in A major op. 101
/ベートーヴェン:ソナタ第28番 イ長調 Op.101

5月12日(月)20:00(日本時間 翌3:00)

Yuki Yoshimi (Japan, Year of birth: 2000) ※予選[5.6]
Wolfgang Amadeus Mozart: Concerto n. 15 in B flat major KV 450
/モーツァルト:ピアノ協奏曲第15番 変ロ長調 KV450

吉見さんはモーツァルトが似合うだろうなとハードルを上げてしまった分、すこし緊張が見えたかなという印象。

Shion Ota (Japan, Year of birth: 2000) ※予選[5.6]
Wolfgang Amadeus: Mozart Concerto n. 9 in E flat major KV 271
/モーツァルト:ピアノ協奏曲第9番 変ホ長調 KV271

一方で太田さんがモーツァルトをどんな風に演奏するのか興味がありましたが、ダイナミックな打鍵はそのままで演奏していて印象的でした。

Yali Zaken (Israel, Year of birth: 2004) ※予選[5.10]
Ana Sokolović: Two Studies for Piano
/ソコロヴィッチ:ピアノのための2つの練習曲
Egon Petri: Sheep may safely graze (after Johann Sebastian Bach)
/J.S.バッハ – ペトリ:羊は安らかに草を食み
Sergey Rachmaninov: Variations on a theme of Corelli op. 42
/ラフマニノフ:コレッリの主題による変奏曲 Op.42

バッハの羊から清らかで、からの大規模で本格的なコレッリ変奏曲、予選はほぼ記憶に残ってなかったのですがよかったです。この主題はリスト「スペイン狂詩曲」が思い浮かぶけど関係ないのかな。ウィキペディアみても関係ありそうでなさそうで、よくわからず。。。

セミファイナル1日目まとめ

セミファイナル1日目お疲れさまでしたm(_ _)m
6日続いた予選に続いて、このラウンドも6日間開催されます。

モーツァルトの協奏曲を課しているコンクールは割と見かけますが、「誰が24人でやるねん」てところでしょうか笑。しかもリサイタルも課すという、審査員泣かせでもありそう。

しかし、20曲以上あって敬遠していたモーツァルトの協奏曲を楽しめるいい機会です。17番ト長調が今のところ好みです。全部いいですけどね。

気になった演奏は:
Robert-Bily(協奏曲)、Song Hyeon Kim(リサイタル)、太田糸音(協奏曲)、Yali Zaken(リサイタル)

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