こんにちは。いりこです。
ネイティブの友人宅でごはんをごちそうになったときのこと。
「Fried egg も乗せる?」と聞かれました。
筆者にとって「フライ」は、チキンやポテトなど「油で揚げたもの」に他なりませんでした。そもそも北米ではフライドポテトも “Fries (French Fries)” と呼びますし、、、、だから頭に浮かんだのは、ゆで卵に衣をつけて揚げた、コロッケみたいなあれでした。なのでキョトンとしながら、
「この国では、タマゴを揚げるんかい?」と聞いたら、
「Haha、“Deep-fry” はしないよ」と爆笑されてしまいました、、、、
そう、“fried egg” が意味するところは、「目玉焼き」のことだったのです。
日本語で「フライ」といえば揚げ物、エビフライもカキフライもそうです。しかも冒頭のとおり、英語でもfried =揚げ物を指すことがあり、それ自体は間違ってない。それでも目玉焼きは、揚げていない!
そしてその後よく考えて思い出したのが、チャーハンも “fried” rice” なんですね。あれは炒め物です、揚げてない。でも “fried”。
揚げ物も、炒め物も、目玉焼きも、ぜんぶおなじ “fried“。つまりfried は「揚げ物」だけを指す言葉ではないということになります。
では、どこまでが “fried” なのでしょうか。”fry” と “deep-fry” の線引きは何なのか、stir-fry とは何が違うのか。。。英英辞典の定義をひとつずつ引いて、整理してみることにしました。
ひと目でわかる|fry 一族の早見表
- fry|“to cook food in hot oil or fat, or to be cooked in hot oil or fat”|油で火を通す(深さの指定なし)
- deep-fry|“to fry food in a deep pan in which the food is completely covered by oil”|揚げる
- shallow-fry|“to cook food in a small amount of oil or fat”|揚げ焼きにする
- pan-fry|“to cook food in a pan in a small amount of oil or fat”|フライパンで焼く
- stir-fry|“to fry small pieces of meat, vegetables, etc. quickly while mixing them around”|炒める
ケンブリッジ英英辞典(Cambridge Dictionary)より
油を使って調理すれば “fry”
ケンブリッジ英英辞典の fry は “to cook food in hot oil or fat”。熱い油で食べ物を調理する、それだけです。油の量にも、深さにも、一言も触れていません。
いっぽう deep-fry は “to fry food in a deep pan in which the food is completely covered by oil”。食材が完全に油に覆われた状態だと書かれています。
揚げ物だとはっきり伝えたいときは deep-fried を使います。fried だけでも通じますが、深さの情報が入っていないぶん、相手は料理名から推測することになります。
ちなみに fry に足される条件は、語によってばらばらです。deep-fry と shallow-fry は油の量、stir-fry はかき混ぜ続けること。ひとつの物差しで並んでいるわけではありません。
では、fried chicken が揚げ物で fried rice が炒め物になるのは、何が決めているのか。料理そのものを辞書で引いてみたら、答えは定義に書いてありました。
- fried chicken|“coated in batter and deep-fried”|揚げる
- fried rice|“first cooked by boiling and then stir-fried with other ingredients”|炒める(チャーハン)
- fried egg|“shallow-fried on one or both sides”|焼く(目玉焼き)
Wiktionaryより
チキンやポテトは揚げたものが定番だから揚げ物。ご飯は炒めるものだから fried rice は炒め物。そしてタマゴは、揚げません、焼きます。
フライパンに油をひいて、タマゴを割り落として、白身が固まるまで火を通す。日本語では「焼く」と呼ぶあの工程が、英語ではまるごと fry に含まれます。油を使って火を通した時点で “fry”。目玉焼きが fried egg なのは、そういう理屈でした。
【寄り道】タマゴの焼き方、英語だとこう言う
海外のホテルの朝食では、タマゴをどう焼くか聞かれます。ここで出てくるのが、fried egg の親戚たち。
まずはフライパンで焼くほう。ぜんぶ fry の仲間です。
- sunny side up|片面だけ焼いたもの(主にアメリカ英語)
- over easy|両面を焼いて、黄身はまだとろりとしたもの(アメリカ英語)
- scrambled eggs|卵に少し牛乳を混ぜ、焼きながらさらに混ぜたもの
- omelette(米:omelet)|卵を混ぜ合わせて焼いたもの。チーズや野菜を包むことも
いっぽう、お湯で火を通す系のタマゴはこんな感じ。
- soft-boiled|殻つきのままゆでて、黄身がやわらかいうちに湯から出したもの=半熟
- hard-boiled|殻つきのまま、白身も黄身も固まるまでゆでたもの=完熟
- poached|殻を割って、静かに沸いた湯で火を通したもの=ポーチドエッグ
定義はケンブリッジ英英辞典(Cambridge Dictionary)より
まとめ|「揚げ物」だけじゃない Fried
fry は「油で火を通す」という大きな傘です。その下に、油に沈める deep-fry、薄い油の shallow-fry と pan-fry、熱い油で動かし続ける stir-fry が並んでいる。どれになるかを決めているのは単語ではなく、料理のほうでした。
そして fried egg が目玉焼きになるのは、タマゴは揚げるものじゃない、という共通認識によるけっこうあいまいな理由でした。
……ところで、fry ひとつでこれだけ枝分かれするなら、「焼く」はどうなるんでしょうか。bake / roast / grill / broil / toast。日本語ならぜんぶ「焼く」で済むものが、英語では別々の動詞です。
くわしくは、また別の記事で。
こういう「あれ?」に気づくために:おすすめの英会話練習
fried egg が目玉焼きだということを、筆者はあの日まで知りませんでした。というより、こういう生活に根ざした言葉ほど、すっぽり抜けています。英語を勉強や仕事のために使ってきて、暮らしのなかで使ってこなかったからです。
そしてこの手の言葉は、単語帳をめくっても埋まりません。英語に触れる機会そのものを増やして、ひとつずつ拾っていくしかない。
日本語が上手な相手ほど、こちらのレベルを察して汲み取ってくれます。優しさではあるのですが、上達の相手としては物足りない。だからこそ、ちゃんと直してくれる相手にお金を払う価値があるわけです。
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参考
- Cambridge Dictionary(fry / deep-fry / shallow-fry / pan-fry / stir-fry)
- Wiktionary(fried egg / fried chicken / fried rice / sunny side up / over easy)
よくある質問(Q&A)
Q. fried と deep fried、どちらを使えばいい?
A. 揚げ物だと明示したいときは deep-fried です。fried だけでも通じます。
Q. 「炒める」は fry でいい?
A. 通じますが、stir-fry のほうが正確です。“very hot oil”(とても熱い油)で小さく切った具材を動かし続けながら火を通す、という定義。中華鍋の野菜炒めやチャーハンがまさにこれです。
Q. shallow-fry と pan-fry は違うもの?
A. ほぼ同じです。ケンブリッジ英英辞典はどちらも「少量の油や脂で調理する」と定義しています。shallow-fry は主にイギリス英語で、deep-fry と対にして使われます。



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