マリオットとヒルトンで同時に起きた「ポイント改悪」の正体|ポイントは貯めずに使い切るべき3つの理由

ホテル
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こんにちは。いりこです。

2026年7月、マリオットの特典宿泊に必要なポイントが上がったことが、複数の海外マイル系ブログで取り上げられました。上げ幅は平均5〜10%とされています。

値上げの理由などについて、公式の説明はありませんが、この夏に出たマリオット・ヒルトンという二大ホテルのニュースを並べると、背景が見えてきます。

その少し前、6月のこと。マリオットのホテルを運営するオーナー51社が、本社に連名で抗議していました。「ポイントで泊まられたときの負担が重すぎる」という内容です。そして8月、マリオットはオーナーの負担を実際に軽くしたと発表しました。

そして同じような動きが、ヒルトンでも起きていました。

問題はここから。オーナーの負担を軽くするなら、その分のお金はどこかから持ってこないといけません

ホテル本社が気前よく負担してくれるのであればいいのですが、そんなことは考えづらいですね、、、そのしわ寄せは我々会員(消費者)に回ってくるはずです。必要ポイントが上がれば、同じ1泊により多くのポイントが要る。手持ちのポイントの価値が、その分下がるということですね。

だから、ポイントは貯めずに使い切る!この記事の結論です。

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【前提】ホテルの「本社」と「オーナー」は別の会社

1軒のホテルには、会社が2つ関わっています。

  • 本社:マリオットやヒルトンといった、ブランドを持つ会社。ポイントのルールを決めるのはここ。
  • オーナー:建物を持ち、実際にホテルを動かしている会社。掃除も朝食も光熱費も、こちらの負担

マリオットの看板を掲げていても、建物を持って動かしているのは別会社であることも多いようです。そしてオーナーは本社に、看板を使うためのブランド使用料や、会員プログラムの手数料も納めています。

  • 会員がお金を払って泊まる:オーナーは宿泊料金の数%を、手数料として本社に納める。
  • 本社が会員にポイントを配る:そのポイントの原資は、オーナーが支払った手数料からも出ている。
  • 会員がポイントで泊まる:宿泊代として使われたポイントの分を、本社がオーナーに払い戻す

カギは、この払い戻しの額です。これが現金で支払われる宿泊料金より安く、空室が多い日は、部屋をひとつ用意する実費を少し上回る程度とも言われます。

つまりオーナーにとってポイント宿泊は、満額のお客さまの代わりに、安い払い戻しで部屋を出す取引。増えるほど、手取りは薄くなります。

しかもポイントは、ホテルに泊まらなくても貯まります。スーパーでもガソリンスタンドでも、提携クレジットカードを切れば貯まる。その手数料を受け取るのは、本社です。

儲かる仕組みは本社に、負担はオーナーに。この構図が、この夏のニュースの震源です。

【ケース1・マリオット】オーナーが抗議し、本社が負担を軽くした

2026年6月、米ウォール・ストリート・ジャーナル(日経新聞のアメリカ版のような存在)が報じました。マリオットのホテルを運営するオーナー51社(合わせて約1,000軒)が、CEOのアンソニー・カプアーノ氏と会長のデビッド・マリオット氏に、連名の書簡を送ったという内容です。

書簡にはこうあります。「ホテル側(=オーナー)はプログラムのコスト負担が増え続け、マリオットは収入の取り分を増やし続けている」

要求ははっきりしています。「予約サイト(Expediaなど)経由で泊まってもらったときと同じ水準まで払い戻してほしい」。いまの払い戻しでは足りない、ということですね。

そして8月3日の決算発表で、マリオットが答えます。

  • オーナーが本社に払う手数料を、年初に世界共通で約5%引き下げた。マリオットは「業界でいちばん低い水準」と説明しています。
  • 混み合う日にポイントで泊まられたときの、オーナーへの払い戻しを引き上げた。51社の主な要求の一つ。
  • ブランド基準をゆるめて、オーナーの運営コストそのものを下げた

オーナーの言い分は、かなりの部分が通ったことになります。

しかし、本社が身銭を切って解決したという形は考えづらい、、、そうなると、しわ寄せの行き先はポイントの価値しかありません。そして実際には、この決算発表より前の7月に必要ポイントが平均5〜10%上がったと、冒頭のマイル系ブログが伝えています。

【ケース2・ヒルトン】静かに同じことが進んでいた

ヒルトンでも、2026年7月28日の決算説明会で同じような話が報じられました。公式のプレスリリースには書かれておらず、CEOの説明を業界メディアが報じました。

オーナーからの表立った抗議は報じられていません。それでも中身はマリオットと同じ。本社がオーナーの負担を軽くし、そのしわ寄せが会員に向かう、という構図です。

本社は、オーナーがヒルトン・オナーズに納めている「ポイントのためのお金」を世界共通で引き下げました(2026年1月から適用済み)。ただし本社が安くしたのはポイントのために集めるお金だけで、ブランドの使用料は据え置き

そして会員には、もう跳ね返っています。

オーナーが本社に納めるお金の下げ幅はブランドによって違い、いちばん大きかったのが「ホームウッド・スイーツ」という長期滞在向けのブランドでした。そして同じ時期、2026年1月8日以降の予約分から、このブランドでは会員が泊まったときにもらえるポイントが、1ドルあたり10ポイントから5ポイントへ半分になっています。

ここでも、しわ寄せを食うのは会員です。海外のマイル系メディアは、マリオットと同じくヒルトンでも特典宿泊の必要ポイントが上がっている(=ポイントの価値が下がっている)ことを取り上げています。

【ケース3】ブランドから離れるオーナーも

そしてひとつ動き。看板そのものを降ろすオーナーの話がこの夏相次ぎました。

2026年7月30日、ヴェネツィア最古のホテル「ダニエリ」フォーシーズンズとして開業。直前まで、マリオットの「ラグジュアリーコレクション」でした。

日本でも、ダブルツリーbyヒルトン那覇首里城2026年12月31日の宿泊をもってヒルトンとしての営業を終えます

どちらも理由は公表されておらず、手数料の話と結びつける材料も、いまのところありません。

ただ会員から見た意味は同じです。看板が変われば、「いつか泊まりたい」と貯めていた1軒が、ある日リストから消えることがある、ということです。

ポイントは貯めずに使い切るべき、3つの理由

ここまでに見えたのは、本社は取り分を守り、しわ寄せはポイントの価値に向かうという流れでした。われわれ会員の側から動かせるものは、ひとつもありません。

そしてこれは、ホテルのポイントに限った話ではありません。航空会社のマイルも、量販店やドラッグストアのポイントも、キャッシュレス決済のポイントも、仕組みはぜんぶ同じです。発行するのは会社、ルールを決めるのも会社。だから筆者は、ポイントは貯めるものではなく、使うものだということを意識しています。

理由は、この3つ。

【減る】発行元の都合で、ルールやポイントの価値が改定されるから

1ポイントがいくらになるかを決めるのは、貯めている側ではなく発行する会社です。

仮に1ポイント=1円のつもりで10万ポイント貯めていても、0.5円に改定された瞬間10万円分が5万円分になります

そもそもホテルや航空会社のポイントは、1ポイントがいくらなのかが変動しやすい仕組みでした。だから目減りしても気づきにくく、価値を最大限に引き出すこと自体が難しいのです。

【消える】発行元が倒産したり、有効期限が切れたりするから

発行会社が倒れても、ポイント制度そのものが終わっても、1円も返ってきません。銀行預金のように制度で守られてはいないからです。

そして倒産よりずっと手前に、有効期限という関門があります。マリオットなら24か月アカウントが動かないだけで、全額が失効します。「いつかおトクな特典宿泊に使おう」と置いておく期間が長いほど、この関門に近づいていく。貯めるという行動そのものが、失効のリスクを育てているのに加え、有効期限のことを忘れないようにするという管理のコストもかかってくるわけです。

【増えない】持っていても、一円も生み出さないから

企業の帳簿では、会員に配ったポイントは「いつか返すもの」=負債として記録されます。ただし、この借金に会社が利息を払う義務はありませんわれわれ会員のほうが、無利子でお金を貸している側というわけです。

しかも、その借金には期限がついています。ひとつ前の有効期限は、会員から見れば「消えた」ですが、会社から見れば「返さなくてよくなった」

無利子で借りたうえに、黙って待っていれば返済まで免除される。企業にとって、これほど都合のいい仕組みはそうありません。

・・・

3つとも、こちらの努力ではどうにもできません。選べるのは、自分のお金を「どこに置いておくか」だけです。

そして同じお金でも、置き場所で結果が変わります。預金なら置いておくだけで利息がつく、株式なら配当や値上がりが期待できる。どちらもお金がお金を生む置き場所です。

一方ポイントは、置いておくほど目減りする置き場所。いちばん条件が悪いところに、お金を置きっぱなしにしていることになります。

だとしたら、やることはひとつです。条件の悪い置き場所から、お金を引き上げる。これが「資産の組み換え」ですね。

ただ、ポイントは銀行に振り込めません。引き上げる方法はひとつだけです。

お金を生まないポイントを、現金払いの代わりに積極的に使い切る。そうすると、本来なら出ていくはずだった現金が手元に残ります。「手っ取り早く確実なポイントの現金化」と同じことですね。

よくある質問(FAQ)

Q. マリオットのポイントは改悪されたの?

A. 2026年7月、特典宿泊に必要なポイント数が広い範囲で上がりました。上げ幅は平均5〜10%とされています。マリオットからの公式発表はなく、マイル系ブログのLoyaltyLobbyが変更に気づき、One Mile at a Timeが2026年7月8日に報じたことで明らかになりました。

Q. マリオットのオーナーは何に抗議したの?

A. 2026年6月、マリオットのホテルを運営するオーナー51社(合計約1,000軒)が、CEOと会長に連名の書簡を送りました。ポイント宿泊のコストをオーナーが負担する一方で、マリオット本社は提携クレジットカードの手数料収入を伸ばしている、という不均衡への抗議です。米ウォール・ストリート・ジャーナルが報じました。

Q. ヒルトンの手数料引き下げで、オナーズのポイントも下がるの?

A. ヒルトンから「改悪します」という発表はありません。ただ海外のマイル系メディアは、2026年も中級クラスのホテルを中心に特典宿泊の必要ポイントが上がっていることを報じています。手数料引き下げとの因果関係は、明らかにされていません。

Q. ホテルがブランドを抜けると、貯めたポイントはどうなる?

A. ポイントそのものが消えるわけではありません。消えるのは「そのホテルで貯める・使う」という選択肢です。一般的には、ブランドを離脱した時点でポイント加算や会員特典の対象外になります。

Q. ホテルのポイントはいつ使うのが正解?

A. 使い道が決まっているなら、早いほうが有利です。必要ポイント数は発行元の判断で上がることがあり、下がる保証はありません。目的を決めずに貯め続けるのが、いちばん不利な持ち方になります。

まとめ

本社とオーナーのあいだでお金の取り合いが起きていて、その調整のしわ寄せが、いちばん立場の弱い会員のポイントに寄ってくる。マリオットでもヒルトンでも、見えたのは同じ構図でした。

ポイントの価値は、使ったときにだけ確定します。裏を返せば、貯めているあいだは価値が決まっていないということ。残高が増えていく気持ちよさは、そのまま誰かの都合の上に乗っています

だから、貯めない!行き先を決めて、さっさと使う次の旅を少し前倒しするくらいが、ちょうどいいはずです!!!

【参考】
LoyaltyLobby(7月の値上げ)
Asian Hospitality(オーナー51社の書簡)
One Mile at a Time(ヒルトンの引き下げ)
Upgraded Points(ヒルトンの必要ポイント上昇)

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