こんにちは。いりこです。
2026年4月22日、久末 航さんのニュー・アルバム「久末航 ピアノ・リサイタル 2025 at サントリーホール」(OVCT-00218)がリリースされました!
2025年5月、エリザベート王妃国際音楽コンクール ピアノ2025 で日本人史上最高位の第2位を受賞した久末航。その凱旋リサイタル(2025年12月2日 サントリーホール)を、まるごとライブ録音で収めた1枚!
久末 航
久末 航(ひさすえ わたる)は1994年生まれ、東京藝術大学を経てベルリン芸術大学で研鑽を積み、現在もベルリンを拠点に活動するピアニスト。
2016年メンデルスゾーン国際コンクール(ドイツ)優勝をはじめ、欧州で着実に評価を積み上げてきたピアニストです。なかでも大きかったのが、2024年第16回ゲザ・アンダ国際ピアノコンクール(チューリヒ)でのモーツァルト・セミファイナル進出。モーツァルトのピアノ協奏曲が課されるセミファイナル(上位6名)まで勝ち上がり、リスト・バルトーク賞とベートーヴェン賞(G.ヘンレ社)という2つの特別賞を受賞しています。
……お気づきでしょうか。この「リスト・バルトーク賞」と「ベートーヴェン賞」、本作の収録曲(リスト『巡礼の年』、バルトーク「3つのブルレスク」、ベートーヴェン「熱情」)とそっくりそのまま重なります。久末航というピアニストが勝負どころにしている領域が、このアルバムにギュッと詰まっていると言ってもいいかもしれません。
そして2025年、エリザベート王妃国際音楽コンクール ピアノ部門で第2位。これは日本人として同コンクール史上最高位の快挙で、日本の音楽ファンに一気に名前が広まりました。
筆者はゲザ・アンダもエリザベート王妃も配信で追いかけていましたが、派手な技巧で押すタイプではなく、知性と歌心で音楽を運ぶピアニストという印象。地味な言い方かもしれませんが、聴くたびに「ちゃんと作品が立ち上がってくる」のが本当に魅力的なんです。
当ブログでは、久末さんが活躍したこの2つのコンクールをどちらも追いかけてレポートしています。あわせてどうぞ。
▼当ブログのコンクール・レポート
【2024】第16回ゲザ・アンダ国際ピアノコンクール まとめ
【2024.6.8】第16回ゲザ・アンダ国際ピアノコンクール ファイナル/最終結果
【2025】エリザベート王妃国際音楽コンクール ピアノ2025 まとめ
【2025.5.26~31】エリザベート王妃国際音楽コンクール ピアノ2025 ファイナル/最終結果
ちなみに、このエリザベート王妃2025の本選ライブは、入賞者の演奏を集めた公式CD(4枚組)でも聴けます。優勝のニコラ・メーウセン、久末航、そして第5位入賞の亀井聖矢らの演奏を収めた1セット。「久末さんのコンクールでの演奏も気になる!」という方は、こちらもどうぞ。
アルバム概要:2025年12月、サントリーホールでの「凱旋リサイタル」を完全収録
本作は、2025年12月2日にサントリーホールで行われた「エリザベート王妃国際音楽コンクール日本人史上最高位受賞記念 久末航 凱旋リサイタル」のライブ録音です。
この記事では、当日のリサイタルで演奏されたプログラムを曲順にそってご紹介します。筆者はまだこの音盤を聴けていないので、演奏そのものの感想ではなく、「どんな曲が、どんな並びで詰まっているのか」という選曲・曲順の紹介が中心です。
収録曲(リサイタル当日のプログラム)
- ラヴェル:高雅で感傷的なワルツ
- デュサパン:ピアノのためのエチュード 第2番
- リスト:巡礼の年 第1年 スイス S.160 より 第4曲「泉のほとりで」/第5曲「嵐」/第9曲「ジュネーヴの鐘」
- リスト:ウィーンの夜会 第6番 S.427-6(シューベルト原曲)
- バルトーク:3つのブルレスク Op.8c
- ベートーヴェン:ピアノソナタ 第23番 ヘ短調 Op.57「熱情」
ラヴェルやデュサパンの近代フランスものに始まり、リスト、バルトークを経て、最後はベートーヴェンの「熱情」でしめる構成。前半はみずみずしく、後半に向かってどんどん骨太になっていく流れで、1枚通して聴きごたえがありそうです。
個人的に注目したいのが、後半を占めるリスト・バルトーク・ベートーヴェン。じつは久末さん、この3人の作曲家で第16回ゲザ・アンダ国際ピアノコンクールの「リスト・バルトーク賞」と「ベートーヴェン賞(G.ヘンレ社)」を受賞しているんです。つまり、後半のプログラムは“受賞してきた得意の領域”そのもの。ここがこのアルバムのいちばんの聴きどころになりそうです。
さらに、後半の「3つのブルレスク」(バルトーク)と「熱情」(ベートーヴェン)は、久末さんがエリザベート王妃国際2025のセミファイナル・リサイタル(5月14日)でも弾いた2曲です。日本人史上最高位という結果を引き寄せた“勝負曲”を、凱旋リサイタルでも軸に据えてきた——そう思って聴くと、また熱の入り方が違って感じられそうですね。
3曲目のリスト『巡礼の年 第1年 スイス』については、スイス旅と絡めて書いた記事もあります。曲の背景を知ってから聴くと、抜粋の3曲がぐっと立体的に響きますよ。
▼スイス編・音楽旅気分
【音楽旅気分】スイス編~リスト「巡礼の年 第1年:スイス」
アンコール(ボーナス・トラック)
- シベリウス:ピアノのための小品 Op.76 第10曲「エレジアコ」
- リスト:超絶技巧練習曲 第12番「雪かき」 S.139-12
- ブラームス:ワルツ Op.39-15
北欧の小品、超絶技巧、サロン風のワルツと、見事に三者三様。本編とのコントラストも楽しいラインナップです。
続きはコンサートで:2026年コンサート情報
CDで久末航にハマったあなたに朗報。2026年8月、しんゆり(昭和音楽大学)で生の久末航を聴ける機会があります!
- 公演名:出張サマーミューザ KAWASAKI 2026 @しんゆり
- 日時:2026年8月11日(火・祝)
- 会場:昭和音楽大学(新百合ヶ丘)
- 共演:東京フィルハーモニー交響楽団/原田慶太郎(指揮)
- プログラム:
- ファリャ:バレエ音楽「恋は魔術師」組曲
- ガーシュウィン:ラプソディ・イン・ブルー(ピアノ独奏:久末航)
- チャイコフスキー:交響曲 第5番 ホ短調 Op.64
リサイタル盤がドイツ・ロマン派〜現代音楽寄りの硬派なプログラムだったのに対し、こちらはラプソディ・イン・ブルーで「魅せる久末航」が聴ける貴重な機会。「クラシック未経験の家族・友人を連れていく」のにもうってつけのプログラムです。
※公演の正確な開演時間・チケット価格・発売日は、フェスタサマーミューザ KAWASAKI 2026公式サイトでご確認ください。
このしんゆり公演をはじめ、久末航をはじめとする注目ピアニストの来日・公演情報は、当ブログの年間コンサートまとめで随時アップデートしています。「今年どの演奏会に行こう?」という方は、こちらもチェックしてみてください。
▼今年行きたいコンサートはこちらでまとめ更新中
【2026年】おすすめ・行きたいクラシックコンサートまとめ(随時更新)


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